表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

1

 抜けるような青空の下、私は彼女と出会った。

「親方ァ!空から女の子がァ!」

すぐ隣で叫ぶ声がした。18年間、生きてきたけれど空飛ぶ人を見たのは初めてだ。ドサッと大きな音を立てて彼女は着地した。救急隊の広げたマットにすっぽりと収まったまま出てこない彼女を野次馬たちはしげしげと観察していた。その様子が何だか我慢ならなくなった私は、

「テメェーら!コイツは見せ物じゃねーんだぞ!」

と声を荒げてしまった。それに驚いた野次馬たちが散っていく。私は、その隙間をくぐり抜けて彼女に少しずつ近づこうとした。マットから顔を出した彼女は可愛い人形のような顔だちだった。生唾をごくりと飲み込み、歩を進める。こちらに気づいた少女は顔をこわばらせてそのままうつ向いてしまった。すぐそばまで行くと救急隊員が割って入ってきた。

「キミ!部外者は立ち入り禁止だよ!」

強気な物言いに納得いかなかった私は思わず救急隊員を跳ねのけこう言った

「ぜハハハハハ!部外者だと!?笑わせんじゃねえ!」

救急隊の制止を振り切って少女へと手を差し伸べる。その手をそっと握り返す少女の手はとても柔らかかった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ