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過去の世界来てから最初の朝。カーテンの外から差し込む光と青い空は見ていてホッとする。未来だと火薬の匂いだとか煙だ飛行攻撃ドローンだとかで大変だもの。

そんなことを考えながら活動着に着替える。寝巻きは仕舞って。


トントン。とドアをノックする音が聞こえる。

「おはよう。ミキさん。昨日は大変だったけどよく眠れた?俺は未来人って聞いてワクワクして眠れなかったよ」

「おはようございます。射太子さん。まぁ、眠れはしたんだんですけど、やっぱり過去に来た影響でまだ時間の流れに体が慣れてないんですよね……!慣れてないの!」

敬語禁止令っぽいものを言われてたのを忘れてて、言い直したらクスクスと軽く笑われた。ドア越しだからかもしかしたらお腹を抱えているかもしれない。

「朝ごはんできたから呼びに来たんだけれど、食べるかな?今いいならラップかけておくけど?」

正直お腹は空いているから直ぐに食べに行きたい。髪の毛がセットしきれてないことを除けば食べに行けるけど、それが1番大事だから、

「今、髪整えてるから少ししたら行くので、食べててもらえると助かるかなぁーって」

「わかったよ。あ、ミキさん?トーストと目玉焼きだからなるべく早く来ないと冷めるからね」

「は、はーい」

お肉じゃないのか……と少し落ち込んだけど、朝ごはんなんだから仕方ないかな?ベーコンとか実はあったりしないかな。


結論。ベーコンは無い。トーストと目玉焼きだけだ。それでも十分豪華だとは思うんだけど。

「改めて、おはようございます。この卵って産みたて卵かな?」

「いや、違うよ。スーパーで8個98円で買ったお得品だよ」

やっす!いや、ご先祖様!嘘はダメですよ嘘は!卵なんて未来じゃ1個200円は下らないですよ!?……そういえばこの家朝に鶏の声聞こえなかったし、未来みたいに家に鶏とか居ないのかな。

「あ、卵とかアレルギー大丈夫?無理そうなら新しく何か作るけど」

「大丈夫です!頂きます!あ、この目玉焼き半熟なんだ。いい具合に潰れて美味しい。私達の家系って料理下手らしいんだけど射太子さん上手だよね」

「そんなことないと思うんだけどね。父さんは料理家だから本とかあってそれ読んでると俺も出来るようになったしさ。家系的にというか、もしかしたら俺が子供に料理をさせないほどに上達するとかで……」

お互いに苦笑いするしかなかった。なんとなくその線が1番濃厚だと2人とも思ったのだと思う。



「じゃあ、射太子さんは今から学校なんだよね。ええーっと高校3年生?というか受験勉強とか就活で忙しくなるのに住み着いてしまって……」

正直、私の時代では受験勉強とか就活なんてものは無いに等しいから理解はできないんだけれど。

「あ、うん。そうだよ。ミキさんも学生……なんだよね?」

「は、はい!歳も同じですよ。まぁ授業内容……特に歴史なんかは範囲が広くて広くて。この時代の先にもある戦争や紛争についてもありますし、挙句には核や原子炉の名前まで覚えなくてはならないもので……」

愚痴っぽく言ってしまう。

きっとこの時代の計算式とか国語とか。もっと言えば理科なんて元素も少ないだろうし、生物の進化過程の図式も短いと思うけど、こうなんども未来過去を行き来してると脳がパンクしないかしんぱいになる。

「だったらこの時代の学校にも行ってみる?そのジンチ君だったかなら記憶の操作が出来るんでしょ?それでどうにかこうにかさ」

射太子さん……そんなことは……出来ますけどね。まぁ接触というかジンチ君が捕捉さえ出来ればの話なんですけど。

「いや、そんな適当に言われても出来ませんってば」

嘘をつく。一週間後ぐらいにイキナリ転入していって驚かせよう。うん。それが良いな。


「さてっ。朝食も済んだことだし、学校に行ってくるけどどうする?外に出たりするのなら合鍵とか渡すけど?」

確かにこの時代に慣れるためには情報が必要だから射太子さんからの提案は魅力的だ。

とは言え、方向音痴の私には1人で外出なんて出来ないと思う。

まぁ、有って損はないので、貰っておくことにした。射太子さん的には昨日私は道に迷っていなかったことになっているようだし。

「それじゃぁ行ってくるけど、出かける時は施錠よろしくね」

「任せてください!と、取り敢えず荷物の整理を済ませたら出かけるかもだから、出かけるかどうかわからないけど」

玄関で射太子さんを見送る。窓の外を見ると、射太子さんは誰かと一緒に登校して行った。恐らく先輩の先祖だと思う。合流地点・接触方向・出会ったタイミングからの予想だけど。


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