旅立ち。
レンによる米海軍シールズのヘルウィーク並みにハードな魔力訓練を一週間こなした美月は、レンに合格点をもらえるレベルまでに上達していた。
「マジで死ぬかと思ったよ。結局、まともに食事をとれるようになかったの3日目からだし。睡眠もろくに取れなかったし。まるで地獄の日々だったよ。俺、よくいきのびた。」
美月は、この一週間を振り返って、よく自分が餓死や過労死しなかったと心の中で自分を褒め称えた。
「そりゃ。死なないよ。だって、死にかけたら俺が回復魔法をかけてる訳だし。まぁ。でも、よくここまで成長したよ。これで魔力の修行は終わりだ。」
レンは、この一週間で数えきれないくらいの回復支援魔法を使用していた。
そんなレンも修行の最終日には、美月の肩の上で上機嫌で美月をほめた。
「なぁ。レン。スゲー頼みづらいけど、もうしばらく面倒みてくれないか?」
美月は、真剣に頭を下げていた。
「一応、腐れ縁だ。用事がない内は、一緒にいてやるよ。この世界の事何も分からないことだろうし。仕方ねぇ。ナビゲーションピクシーしてやるよ。」
やれやれ。と言った感じでレンは、美月に着いて行くことにした。
「本当か!レン。」
「ふん。」
美月がレンに笑顔でお礼を言うと無愛想に答えながらもけして嫌な感じは、しなかった。
そんなレンの無愛想な優しさに苦笑しながら美月は、これからの事について提案した。
「なら、早速、町に行きますか!場所も修行中に何回か近くまで行ったから分かるし。」
「好きにしろ。」
こうして魔力訓練を終えた美月は、異世界で最初の町に向かうのであった。