修練
無差別攻撃から数十分経過し、爆心地で美月は目を醒ました。
「頭いてー。うん?・・・・・。」
状況が理解出来ず、首を傾げると横から声が聞こえた。
「うん?じゃねーよ。事故だからと言って許されるレベルじゃねーぞ!これ!辺り一面に魔石をフルバーストしやがって。まず、お前には、加減を覚えてもらうから覚悟しとけ。」
シールドを張ったレンが飛びながら話していた。
「ははは・・・。ごめん。」
美月も自分が無意識にやった自然破壊に申し訳く感じ、誤魔化すのを止めて、素直に謝った。
「たく!面倒事は、確実なのにこんな危険生物の面倒を見なければ、ならない俺って不幸だ。仕方ないから当分、面倒見てやるよ。はぁー。まぁ。普通に考えてこんなのを放置出来る訳ないし。とりあえず、魔力のコントロールから教えてやるよ。」
レンは、疲れた様子で話しながら飛行して美月の肩に座った。
「よっよろしく。早く出来るように努力するよ。」
美月もレンに迷惑を掛けている事を理解しているため申し訳なさそうに答えた。
「頼むぜぇ。本当に。まず、利き手に意識を集中して体の中心から魔力が流すイメージをしろ。こんな感じだなぁ。ちなみに俺は、光属性だから白い魔力だ。」
レンの右手は、白い光の球体が出現した。
「こんな感じ?」
美月の右手にも銀色の球体が出現したがレンと違って不恰好なだけでなく、体から魔力が溢れていた。
「出来てはいるが無駄が多すぎだ。妖精から魔力の使い方を教わる訳だから、そんな出来じゃあ。落第点だなぁ。もっとスムーズにイメージしろ。2時間以内にやれ。出来ないなら夕飯はなしだ。」
レンは、暴発事故の件があるためスパルタ式で美月を鍛えることにした。
「いやいや。異世界に来て初日だよ。まだ、町にも着いてないのにハード過ぎるだろ。」
美月も余りの厳しさにレンに文句を言った。
「はぁ?お前、馬鹿?今のままだと魔力が暴発したらさっきみたいに町を消し飛ばすぜぇ。しかも、ここから一番近い町ってそんなに大きくないし。考えてから話せよ。馬鹿!」
レンが呆れた様子で話し終えると美月の頬を蹴った。
「痛て!うー。ごめん。」
美月もレンの言う事に納得し、不満を残しつつも素直に謝った。
「ちなみに今日中に身体強化まで出来るようにしてもらう予定だから魔力が尽きるまで頑張ってくれよ。無差別兵器くん。」
レンは、ニヤニヤしながら美月に対して話しかけた。
「はっ!本気かよ。」
美月は、焦りの余り顔を青くした。
「大丈夫。才能はある。不恰好だけど球体になってるし、自然と体全体に魔力もながせてるから。あとは、細かいコントロールと魔力濃度の調整が出来れば町に行っても問題ない。練習あるのみだなぁ。」
レンが励ますように声をかけた。
「わかった。やってやる。」
美月は、さりげなくレンに褒められたのでやる気を出して取り組むのであった。