最初の出合いは。妖精だった。
「歩いても歩いても人里が見えん。」
美月は、かれこれ2時間ほど、歩き続けたが何のフラグも立たずにいた。
「まぁ。とりあえず、魔法も使い方が不明だし。つーか。魔力ってどうするんだよ。それに普通、魔物ぽっいのと遭遇してバトルってからのパターンにならん?それで助太刀が入る流れにさぁ。」
美月は、試しに力張ってみるが何も起こらず、自分の状況がかなり不味いものだと理解しつつあった。
「お腹減ったなぁ。最後は、朝飯だけだし。何か食べられそうなものはないのかよ。」
美月の願いも空しく辺りには、木々や雑草しかなく食べられそうなものは、見当たらなかった。
暫くの間、何だかボヤキつつ、歩き続けると木の上で自分の身の丈の半分くらいの大きさの果実を食べている人形の小さな生き物が目に入った。
「妖精?おい!ちょっといいかぁ?」
美月は、妖精らしき生き物に話かて見た。
「何だよ。人間が何かよう?うん?何でー?もしかして、俺がみえてる?」
妖精は、不思議そうな目を向けて答えた。
「ああ。普通見えるよ。俺は、美月!きみは、見た感じ妖精に見えるけど妖精だよね。名前は?」
「うーん。レン(仮)。それと妖精以外に何に見えるんだよ。」
レンは、不機嫌に答えた。
「ごめん。ごめん。妖精とかはじめて見たし。まだ、この世界に来たばかりたがら。」
「うん?あんた召喚者か?いや、その年齢でこの対応だから、転生者か。大変だね。がんばってね。」
美月は、自分の状況を的確に理解してもらえて安心したも束の間、レンのなげやりな発言に焦った。
「ちょっと!レンさん。俺、いきなりこんな所に投げたされて困ってるんです。助けてください。」
美月は、必死にレンに対して交渉を始めた。
「やだ!勇者魔王の関連は、関わらないに越したことない。そう言うのは、別の妖精(♀)に頼みなよ。女の子ならまだしも何が悲しくて野郎の面倒みなきゃいけないんだよ。」
レンは、果実を食べるのを再開しながらやる気なさそうに答えた。
「そこを何とかお願いします。それに俺は、勇者や魔王とは、関係無いんです。このままじゃ、森の生き物のエサになるしかないんです。」
美月もここが未知の場所のため何が何でも協力者を得るために必死で食い下がった。
「あん?じゃあ、あんた何しにこの世界に来たんだよ。つーか。あれか?あんたは、流れから外れた迷い人で俺が見捨てると本当に終わりって感じの流れかぁ。だよなぁ。最初に出合うのが俺だし。流石にそれは、目覚め悪いなぁ。仕方ない。貸しだからなぁ。この恩、返せよ。」
レンは、盛大な溜め息をしつつ、案内役を引き受けたのだった。