3/11
逞しくなれ。
「うん?今度は、どこ?つーか。近くに人いるの?」
美月の視界には、見渡す限りの森が広がっていた。
「それに何か体のサイズがちいさくなってないかぁ?」
自分の体を確認すると明らかに17歳のサイズではなく、6歳くらいのサイズしかなかった。
「おいおい。児童を森の中に放り投げるとか確かに外道な神様だよ。」
誰かに返事を期待して言葉に出した訳ではないが自然と口から愚痴がこぼれた。
「別にそっちの意味の神じゃないよ。失礼だなぁ。」
美月の頭の中に少し怒ったような声が直接響いた。
「あれ?いたの?」
美月は、頭の中で思ったことを浮かべた。
「まぁ。ちょっと、忘れててね。よいしょ。とりあえず、言葉は通じるし、意味も理解出来るように調整しといたから。これで大丈夫。あとは、適当に頑張ってね。」
「おい!ちょっと待てよ。最初は、案内とか色々あんだろ?」
シーン。美月が返事を待ってもいっこうに返ってくることは、なかった。
「チキショー。今後、会ったら討伐してやる。」
静かな森の中で美月は、1人固い決意をした。