赤ちゃん(?)になりました3
あれ?!お気に入り件数めっちゃ上がってる!!!!?ということに今気付きました(@_@;)なんでだろう?
でもすごく嬉しいです(T_T)ありがとうございます。頑張ります。
*感想くださって、ありがとうございました^^誤字訂正しました*
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世界が不平等なんてことは、身に染みるほどよく分かっていたつもりだった。でも、今、改めて思います。
やっぱり、世界は平等じゃない!!
「ケイト、そちらの生地はどうかしら。スーザンに似合うと思わない?」
「よろしいと思いますよ。……ああ、よくお似合いですね」
「(………)」
私の前には、ありとあらゆる柄と色の生地の切り抜きが無秩序に広がっていた。
いわゆる試し布という奴で、王族貴族がドレスを作る際に、生地を仕立て屋から取り寄せ、それらを見てドレスのイメージを創る為のもので……これらはお金のある人しか取り寄せはできない代物なのだ。
裕福な人しかオーダーメイドでドレスを作ると言う行為はできない。
つまり、やはりこのセントバールズ男爵家は、いくら男爵位であろうと、平民からすればかなりの裕福な階級に位置すると言うことが今、証明されていた。
見たことの無い、青地に水玉の生地。フリルのついたピンク色のもの。赤い生地にキラキラと光る石が付いているもの。
私は目を奪われて、それらを眺めていた。
なんてきれいなんだろう。こんなもの見たことが無い。
「本当、似合ってるわ。やっぱりこれがいいわね。これにしましょう。アールドンの仕立て屋には、これと薄いピンクのフリルのハンカチを頼んでおいて」
「まあ、3歳の少女祝いのプレゼントですね」
「ふふ。これがレースのハンカチになる頃には、スーザンもだれか殿方に恋をしているんでしょうね」
笑みを交わし合うふたりの前で、私はぽかんとして立っていた。
……そう、もう私は3歳になっていた。はいはいから、立ちあがれるようになって、ようやくひとりでとことこ歩き回れるようになっていたのだ。
足はしっかりと地面についていて、走ることもできる。
ここまで来るのに3年もかかった月日の事を思い出すと……軽く涙が出てしまうほどだ。
3歳児にしては、前世で15年(あともう少しで16歳だった…)生きていた私の思考は、かなり進んでいる。知識も豊富だし、ときどき口が滑って、両親がびっくりするようなことまで、口走ってしまうことがあるほど。
習慣にはかなり詳しいはずの私。だけど、3歳の少女祝いとか、ハンカチを贈る習慣とかは知らなかった。そんなものがあったのか。
どういった内容なんだろうと疑問に思って、そのまま口に出した。
「おかあさま。3さいのショウジョいわいってなあに?」
あくまで3歳児らしく振る舞う。尋ねる時は、相手の身体の一部を掴んで、甘えるように。それが、私が3年かけてマスターした、幼児らしい動作だ。
「3歳になったら女の子はお父様やお母様からフリルのハンカチを貰うのよ。可愛い女の子に育ちますようにって。そのことを3歳の少女祝いっていうの」
かわいくて仕方が無いといった様子で私の頭を撫でるお母様。
未だにお母様と呼ぶには、前に生きていた時の私と年齢が近すぎて、慣れない。
「ふうん。そうなんだ」
「でもスーザンは今でも十分可愛いから、ハンカチはいらないかしら?」
「えっ」
一見するとかなりの親ばか発言に他ならないのだが、これをお母様は本気で言っているから、私は焦った。
フリルのハンカチは欲しい!!
「ハ、ハンカチほしいっ!」
「そうね。ハンカチはレディのたしなみだものね。立派なレディになってね、スーザン」
「うんっ!」
頭を撫でられて、大きく頷く。ケイトにも撫でてもらいながら、私は決意した。
そうだわ。お父様とお母様がどこに出しても恥ずかしくないような、立派なレディになろう。
貴族の娘は、教養やたしなみが重要なんだってことくらいは、平民出の私でも知っていること
。作法も勉強も完璧にして、将来はできるだけ爵位の高くてお金のある男の人の目に留まるように努力して、そしてふたりに恩返ししよう。
そうね…狙うのは侯爵家。
貴族の政略結婚がどんなものかはよく分かっていないけど、これだけ綺麗な両親から生まれた私だもの。
前世では平凡だったけど、現世では自分で言うのもなんだが、かなり可愛らしい容姿をしていた。
―――いける。狙えるわ。
どんな身分の男性でも、捕まえてみせる。
目指せ玉の輿!!!
お父様お母様、私頑張ります!!
ようやく更新しました。亀更新でスミマセン。