プロローグ
~ディオネ村~
「おうぃ、遊びに行こうよマーズー」
誰かに呼ばれて目が覚めた。
誰かと言ってもこいつしかいない。
「んだよウラヌス…日曜の朝っぱらから…」
兄弟ではないが訳あってコイツとは同じ
家にすんでいる。
いつも朝起こされるのだが今日は
特別早い。なんだって6時だ
「へ?今、9時じゃないの?」
「は?」
今時小さい子でも間違えないであろう
6と9を間違えた…な、こいつ。
「馬鹿なのか?今は6時だ、空見てみろ、真っ暗だろ」
「あ、ほんとだ。」
ウラヌスは時計と空を交互に見る、
コイツは天然どころじゃない。
…馬鹿だ。
「6時でも9時でもいいよ!遊びに行こう!」
「…何するんだ?」
「えー…っとお散歩?」
さっきまで遊びに行こうとか言ってたのに
いきなり散歩とか言い出した。
…もう訳わからん…コイツ。
「マーズ行こうよー!お散歩は体にいいかもよ?」
「はいはい分かったよ。着替えるから待ってろ。」
ウラヌスは笑顔でうなずき部屋を後にした。
*
雲ひとつない晴天。
肌がジリジリ焼けるような感覚が襲う
まだ7時だって言うのに、なんだこのむし暑さは…
「お天気いいねー今日も!」
俺の隣にはノーテンキ男。
「お前…暑くないのか?」
「ぜーんぜん?」
こいつの体はやたら冷たい。まるで
ウラヌス自体が凍っている様だ。
そんなことを考えつつ歩いていると、
あちらから走ってくる影が見えた。
『おぉーい!マーズー!ウラヌスー!』
そう叫びながら走ってくる二人組。
一人は青い髪を2つにくくった女の子スピカと、
茶髪で紫のパーカーを着た男の子ジュピターだ。
「んだょ、お前らかよ。バカップルめ」
「ぶっ殺すぞ。」
これが日常。俺とジュピターケンカの日常。
「やめなってば、二人とも!」
それをとめるのは、スピカ。
スピカの目ははっきり言って怖い。
何故なら全く光を刺さない作り物の
様な目をしているからだ。
だが性格はとてつもなく明るい。
「そうだ!あの山の上の野原に行こうよ!」
野原とは山の中にある花畑とも言えるぐらい
花の咲いているウラヌスお気に入りの場所だ
毎月5,6回は行くであろう野原…。
*
いつも4人で集まっては遊びにいく、
それが日常だった。
ただ『野原に行こうよ』の一言で、
俺達4人の人生を変えることになるとは…。
…誰が予想出来たもんか。




