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5話 幼馴染
落雷御殿へ続く山道には朝の光が差し込み、鳥のさえずりが響いていた。手にした竜の冷たい木肌が、そんな静かな朝のぬくもりを少しだけ遠く感じさせた。
勇参は指先で鱗の彫り跡をなぞり、鋭い目つきと視線を合わせた。
この竜はドラゴンアクターだったのか、それとも天然の竜だったのか、なぜ人々はこの竜を尊敬したのだろう――その鋭い瞳の奥に、何を見ていたのだろう。
考えだすと、いつまでも見飽きなかった。
勇参の心には、先ほどのリフカの言葉がずっと残り続けていた。
ー私がいた村ではね、木彫り師は皆、生きている間に何かを成した人か、神様がいたことを忘れないために木彫りを彫るんだ。
リフカちゃんが昔住んでいた村って、どんなところだったのだろう。
いつかウィズと三人で、その村を訪ねてみたい――。
リフカは雨泉浪の幼馴染で、勇参とは六歳の歳の差がある。子供の頃から、二人に遊んでもらった勇参は、リフカはきっと、いずれ雨泉浪の許嫁になるのだろうと思っていた。
勇参も、リフカと家族のようにずっと一緒にいたいと願った。
しかし、十九歳になった今でも、その気配はない。
むしろこの一年、二人の話している姿を勇参は一度も見ていない――そのことが、どこか寂しく、そして少し焦れったかった。




