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序
僕が母の命を奪った。
母の命を、自分が生まれるために奪ってきた。
僕がこの世界に現れた瞬間、
父の最愛の人は死んだ。
それから父は壊れた。
何もかもどうでもよくなったようで、
政も、竜としての誇りも、すべて手放した。
父は竜化しなくなり、竜を憎むようになった。
息子たちが竜化するたび、
まるで罪を突きつけられたように彼は怒り狂った。
そして数年前、父は誰にも行き先を告げずに国を去った。
父は最後まで僕を、みてはくれなかった。
兄たちも母を喪った――僕が生まれたその日に。
それでも彼らは僕を責めたりはしなかった。
だから余計に、息が詰まった。
僕は最初から竜だった。
人になる前から、罪を背負って、この世界に出てきた。
僕の名前は村澤勇参。
生まれた瞬間からの殺人者。
ーードラゴンアクターだ。




