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聖戦士コウタの物語


第十章


Ⅰ. 鑑定チート、最後の鍵を示す


魔王軍四天王を討ち取り、ハルジオン王国の王城を奪還した玉座の間。


コウタはビン底メガネ、チェックのシャツ、Gパンという三種の神器を身につけ、凄まじい魔力を放出していた。


「デュフフフフ!このGパンが解放した『規格外身体チート』、まさに至高でござるよ!だが、拙者の『真の最終形態』には、まだ二つのピースが欠けているでござる!」


ハルボウが首をかしげる。


「え?もう充分最強だよ、コウタしゃま!あんな臭い竹刀だけで四天王倒したんだから!もうゆっくりしてくれ!」


コウタは真剣な表情で言う。


「フム。王女殿(仮)、『最強』とは『完全』でなければならぬでござるよ!『指ぬきグローブ』と『リュック』!この二つの最終神器が揃ってこそ、拙者の全チートは『神の領域』へと到達するでござる!」


コウタはビン底メガネのレンズを光らせ、Gパンの魔力を鑑定チートに集中させた。


三種の神器の共鳴が、世界を解析する情報を引き出す。


「『超・鑑定!』……フム!見えたでござるよ!『指ぬきグローブ』の在処が!」


最終神器:指ぬきグローブ(魔力放出制御)

現在地:旧王都東門より三日の旅路にある「奴隷市場」の「最低価格の在庫品」

備考:【警告】神器が、テンプレート奴隷キャラに強制装着中。使用者への魔力負荷により、精神崩壊の危機。


コウタは大興奮する。


「デュフフフフフ!まさか、『奴隷市場』だと!しかも『最低価格の在庫品』!これは『最底辺からの成り上がり』という拙者の設定にぴったりの王道展開でござる!『テンプレート奴隷』との運命的な出会いが待っているでござるよ!」


Ⅱ. 奴隷市場の破壊者、降臨


ハルボウはハルジオン王国の再建をゴブリン助に託し、コウタはチェックシャツとGパンという最強の聖戦士の初期装備で単身、王都東門から旅立った。


三日後、彼は聖都アウローラ圏にある、魔王軍の残党が運営する巨大な奴隷市場にたどり着いた。


「フム。『魔王軍の奴隷市場』……。胸糞展開ではあるが、拙者の『正義の鉄槌』を下す最高の舞台でござるな。さあ、『指ぬきグローブ』と、『最後の仲間』を探すでござる!」


コウタの鑑定チートは、市場に並べられた奴隷たちの真の価値を次々と暴露していくが、神器の反応はない。


市場の最奥、粗末な檻の中に、泥にまみれ、鎖に繋がれた一人の女性が座り込んでいた。


髪はボサボサだが、その瞳には高潔な光が宿っている。


「『鑑定』!」


名前:不明(仮称:テンプレ奴隷)

種族:エルフ(高位王族)

状態:極度の疲労、鎖の呪い

備考:【テンプレート奴隷キャラ】。プライド属性:極大。


コウタは叫ぶ。


「デュフフフフ!『高位王族のエルフ奴隷』でござるか!まさしくテンプレの王道!そして……おや?」


女性の片手に、薄汚れた革製のグローブが嵌められていた。


指先は意図的に切り取られた『指ぬきタイプ』だ。


最終神器:指ぬきグローブ(魔力放出制御)

状態:強制装備中。使用者への魔力負荷が限界超過。

備考:神器の適合性なし。使用者エルフの魔力回路が破壊されかかっている。


コウタは決意する。


「デュフフフフ!神器は『テンプレート奴隷ヒロイン』が装備していたでござるか!しかも、このままでは死んでしまう!『強制的に救済』するしか道はないでござるよ!」


Ⅲ. 指ぬきグローブと『ツンデレヒロイン』の獲得


コウタは衛兵を異臭の竹刀で瞬時に無力化すると、檻を破壊し、女性の前に立った。


「ごきげんよう、『テンプレート奴隷』殿!拙者は聖戦士コウタでござる!貴殿の手に嵌められた『指ぬきグローブ』は、拙者の『最終神器』でござるが、その前に貴殿を解放してやるでござるよ!」


女性は驚き、その汚れたチェックシャツとGパンのデブを睨みつけた。


女性が怒鳴り返す。


「な、何を馬鹿なことを!この不潔な男め!貴様は私を憐れむのか!私は貴様のような汚い男に助けを求めたりしない!」


コウタは笑う。


「デュフフ。王道展開の『プライドの高いツンデレ属性』でござるな!よろしい!そのプライドごと、拙者が『強制的に仲間』として救済してやるでござるよ!」


コウタは鎖を断ち切り、女性を抱き上げた。


そして、彼女の手から指ぬきグローブを奪い取り、即座に自分の手にはめた。


「『指ぬきグローブ』、装備完了!」


神器の魔力がコウタの体に流れ込み、竹刀の異臭が抑えられ、攻撃力と魔力制御力が飛躍的に向上した。


これでコウタは四種の神器を揃えた!


「さあ、貴殿も拙者の『仲間』でござる!名は……そう、『ユリナ』でござる!拙者の旅に、『傲慢なツンデレ奴隷ヒロイン』として華を添えるでござるよ!」


女性ユリナは混乱する。


「な、なぜ……なぜ、このデブが……!(どちゃくそイケメンに見えるコウタに、またもプライドを刺激されながらも、抗えない圧倒的な力に戦慄する)」


コウタはユリナを強制的にパーティーに加え、奴隷市場を炎上させながらその場を後にした。


残る最後の神器「リュック」は、鑑定チートにより、ハルジオン王城にあることが既に判明していた。


聖戦士コウタの物語


第十一章


Ⅰ. 『先輩王女』と『ツンデレ後輩』のヒエラルキー争い


奴隷市場を炎上させた後、コウタは指ぬきグローブを装着し、強制的に仲間となったユリナと共にハルジオン王都への帰路についていた。


ハルジオン王城で、ハルボウとゴブリン助が出迎える。


ユリナが叫ぶ。


「離しなさい!この不潔極まりないブタ男!私を奴隷の檻から出しただけで、また別の屈辱の檻に入れただけだ!指ぬきグローブはすぐに返してもらうぞ!」


ハルボウが反論する。


「うるさいぞ、後輩のババア!コウタしゃまが助けてくれたんだから、感謝しなよ!アタイが『最初のヒロイン』として、お前の行動を監視してやる!」


ユリナが怒る。


「なっ……!『後輩』だと!?この『貧乏くさい王女(仮)』め!私の身分を知らないのか!」


ハルボウとユリナの間に、早速、先輩後輩ヒロインのヒエラルキー争いが勃発する。


コウタはそれを無視し、最後の神器の在処に集中した。


「デュフフ。ユリナ殿(仮)。貴殿の『ツンデレ属性』は、拙者が鑑定チートで完全に把握済みでござる。さあ、次は『リュック』でござるよ!」


「『超・鑑定!』……フム。最後の神器、『リュック』の在処が、ついに見えたでござるよ!」


最終神器:リュック(無限収納チート)

現在地:旧ハルジオン王城の玉座の間の裏にある、誰も開けない『掃除用具入れ』の中の、さらに古い『モップの柄の根元』

備考:【隠し要素】最強の神器は、最も目立たぬ場所に隠されている。


コウタは笑い転げる。


「デュフフフフ!『掃除用具入れ』だと!?なんという『王道的な見落としアイテム』でござるか!さすが拙者の神器でござるよ!」


Ⅱ. 最終神器、五大チートの解放


コウタ一行はハルジオン王城の玉座の間へ急行。


誰も開けようとしない薄汚れた扉の前に立った。


ハルボウが心配そうに言う。


「コウタしゃま!こんな汚いところに、神器があるわけないだろ!衛兵たちもずっと掃除していないみたいだ!」


コウタは断言する。


「王女殿(仮)。『最強のチート装備』は、常に『最も目立たぬ場所』に隠されているでござるよ!鑑定チートは絶対でござる!」


コウタは扉を開け、埃とカビ臭い臭いが充満する掃除用具入れの中を漁った。


そして、折れたモップの柄の根元から、泥だらけで古びた、異様に容量の大きいリュックを発見した。


「あったでござる!『リュック』!これが、全チートを解放する最後の鍵でござるよ!」


コウタは汚れたリュックを背負うと、その瞬間、五つの神器の魔力が完璧に共鳴し、コウタの体内の魔力回路が一斉に覚醒した。


「グフッ……!こ、この力は……!全身のチート能力が、完全に解放されたでござる!」


コウタの全身から、光と臭いが混ざり合った、凄まじい魔力が噴き出した。


ハルボウの目には神々しい光として、ユリナの目には生理的に受け付けない靄として映る。


Ⅲ. 『真の最終形態』の誕生


コウタが宣言する。


「デュフフフフフフ!これで、拙者の五大チート能力が完全に解放されたでござるよ!」


コウタは、中二病全開のオタク古語で、自らの最終チート能力を宣言した。


· ビン底メガネ:『超・鑑定チート』(世界の全てをデータ化し解析)

· チェックのシャツ:『絶対防御チート』(物理・魔法ダメージを無効化)

· Gパン:『規格外身体チート』(速度、筋力が限界突破)

· 指ぬきグローブ:『魔力制御・増幅チート』(竹刀の力を制御し、攻撃力を増幅)

· リュック:『無限収納チート』(アイテムを無限に収納・即座に取り出し可能)


ユリナが恐怖に震える。


「な、何だ、この力は……!まるで……世界の法則そのものを書き換えているみたいだ……!」


ユリナは、コウタの汚い外見と中二病的な言動とは裏腹の、圧倒的な力の前に、ついに恐怖を覚えた。


コウタが宣言する。


「デュフフ。ユリナ殿(仮)。恐怖しているでござるか?これこそが、聖戦士コウタの『真の最終形態』でござるよ!さあ、魔王討伐の旅を、完全無敵のパーティーで再開するでござる!」


コウタは、全ての神器を装備し、ハルボウ(王女)、ゴブリン助(正体不明)、ユリナ(テンプレート奴隷)という、最悪と最強が入り混じったパーティーを率いて、いよいよ魔王討伐という最終目標へと歩み出したのだった。

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