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聖戦士コウタの物語


第八章:四天王の最期と「異臭の竹刀」


1. 破壊のバルザーク、開戦


コウタは王城の広間で、魔王軍四天王「破壊のバルザーク」と対峙した。


コウタの傍らにはハルボウとゴブリン助が立ち、その異様な光景を見守っている。


バルザークが低い唸り声を上げる。


「ふん!我の兵団を潰したのが貴様一人だというのか!その汚れたチェックシャツと竹の棒で!貴様の不潔さが、我のプライドを汚す!」


バルザークは巨大な魔力を解放し、広間の空気が歪むほどの威圧感を放った。


コウタは笑いながら言う。


「デュフフフフ!バルザーク殿、その威圧感、まさしく四天王の貫禄でござる!だが、拙者の『防御チート』を前に、その攻撃は『無』に帰すでござるよ!」


「まずは先制攻撃と行きたいでござるな!聖戦士の剣(竹刀)の、真の力を見よ!」


コウタは異臭を放つ竹刀を両手で持ち、凄まじいスピードでバルザークへ肉薄した。


チェックシャツの防御チートにより、バルザークの放つ魔力の波動は、コウタの体表で弾き返されていく。


2. 破壊的な異臭


コウタの動きは、レベル80の魔族であるバルザークにとって、驚異的な速さだった。


しかし、バルザークが本当に驚愕したのは、コウタが繰り出した攻撃そのものではなかった。


コウタが竹刀をバルザークの顔面めがけて突き出した瞬間、竹刀から放たれた強烈な異臭が、バルザークの嗅覚を襲った。


「う゛ぉえっ……!な、なんだ、この臭気はう゛ぉえう゛ぉえ!」


バルザークは、悪魔族としての強靭な肉体と精神力を持つにもかかわらず、その「異臭」のあまりに強烈さに、戦闘中に嘔吐し始めた。


コウタは得意げに説明する。


「デュフフ!これが『聖戦士の剣(竹刀)』の隠されたチート、『異臭攻撃』でござるよ!拙者の最強の神器の、真の力でござる!」


コウタの鑑定チートでは竹刀の能力は【読み取り不能】だったが、コウタは竹刀から来る異臭こそが、この神器の「隠された能力」だと勝手に解釈していた。


バルザークは、この「異臭」のあまりの強力さに、体内の魔力制御が完全に破綻した。


炎を放とうとした口からは、酸っぱい液体が流れ出し、彼は武器を投げ捨てて両手で口元を押さえた。


「う゛ぉえう゛ぉえ!貴様……!卑劣すぎるぞ!戦闘中にこんなものを持ち込むとは……!」


3. 四天王の悲惨な最期


ハルボウが呆然と呟く。


「な、なにこれ……!バ、バルザークが、ただの汚いデブの竹刀の臭いで吐いてる……?」


ハルボウの目には、どちゃくそイケメンのコウタが、神々しい光を放つ剣を振りかざしているように見えている。


しかし、その「剣」から発せられる臭気が、王城全体を公衆便所のような香りで満たしていた。


コウタは宣言する。


「フンッ!『異臭攻撃』こそ、チートの中のチートでござるよ!人間性が伴わぬ力など、恐るるに足らぬでござる!」


コウタは、嘔吐と混乱で動けないバルザークに対して、一切容赦しなかった。


「もはや、貴殿は『モブ以下』でござるな!一撃必殺でデリートしてやるでござるよ!」


コウタは竹刀を強く握りしめると、バルザークの魔力のコアである胸部目掛けて、渾身の力を込めた「突きの動作」を繰り出した。


竹刀は、まるでドリルのようにバルザークの硬い皮膚と装甲を貫き、四天王の魔力のコアを粉砕した。


バルザークは最後の苦しみを漏らす。


「う゛ぉえ、う゛ぉえ……!マ、まさか……こんな……」


バルザークは、敵の強力な一撃ではなく、竹刀から発せられる吐き気を催す強烈な異臭によって、精神と戦闘力を奪われたまま、巨大な体躯を崩した。


彼の最期の意識は、「汚い……」「臭い……」という、あまりにも悲惨な言葉だけだった。


バルザークの巨体が崩壊すると同時に、彼の体内から黒い靄が立ち昇り、やがて彼の体は、一匹の小さなネコの骸となって、床に転がった。


コウタは勝利の雄叫びを上げる。


「デュフフフフ!見たか、王女殿(仮)!四天王バルザークは、『猫ミーム』のようにあっけなくデリートされたでござるよ!」


バルザークの変わり果てた姿を見て、コウタは「猫ミーム」のような表現を使って勝利を宣言した。


ハルボウは呆然と呟く。


「(呆然と)な、何だあれ……?四天王が、ネコになって……!?」


ハルボウには、コウタが臭い竹刀で敵を打ち倒したという事実ではなく、最強のイケメン英雄が、卑劣な魔王軍のチートを打ち破った、荘厳な勝利の光景として記憶された。


コウタは宣言する。


「デュフフ。王女殿(仮)、これで『仇』は討ったでござるよ!さあ、ハルジオン王国は、貴殿の手に取り戻されたでござる!」


コウタは異臭の竹刀を片手に、ハルジオン王国の王城に、勝利の旗を打ち立てたのだった。


聖戦士コウタの物語


第九章:伝説のGパンと三種の神器


1. 王女からの感謝


魔王軍四天王「破壊のバルザーク」を、異臭を放つ竹刀で撃破したコウタは、ハルボウとゴブリン助と共に、静まり返った王城の玉座の間に立っていた。


玉座の前の床には、バルザークの残骸であるネコの骨が転がっている。


ハルボウが涙を流しながらコウタを見上げる。


「(涙を流しながら、コウタを見上げ)コウタしゃま……本当に……本当にありがとう……!アタイの仇を討ってくれて!」


ハルボウはコウタのチェックのシャツに包まれた太鼓腹にしがみつき、心からの感謝を伝えた。


彼女の目には、コウタは神々しい光を放つ英雄として映っている。


コウタは笑う。


「デュフフ。お礼には及ばぬでござる、王女殿(仮)。『仇討ちイベント』は、聖戦士の基本ロールプレイでござるからな!これで、ハルジオン王国は奪還完了でござるよ!」


ハルボウは確信するように言う。


「奪還完了……!」


ハルボウは、この瞬間からハルジオン王国の再興を決意した。


彼女は、コウタのどちゃくそイケメンな姿に、王国を託すに足る希望を見ていた。


2. 最後の神器「Gパン」


ハルボウは立ち上がると、王座の奥に隠されていた古びた木箱を開けた。


その中に入っていたのは、極めて頑丈で、しかし普通の青いGパンだった。


ハルボウが言う。


「コウタしゃま。これは、アタイからのお礼だよ。これこそが、このハルジオン王国に伝わる、『伝説の神器』なんだ!」


ハルボウは、そのGパンをコウタに差し出した。


「これは、あまりにも強力な魔力が込められすぎていて、今までに誰も装備することができなかった伝説の装備なんだ。『着る者の魔力回路を破壊し尽くす』と言われて、ずっと封印されていたの!」


コウタは大喜びする。


「デュフフフフ!『あまりにも強力すぎて使えない伝説の装備』でござるか!まさにチートの王道でござるな!」


コウタは、即座にGパンを鑑定した。


「『鑑定』!」


名称:Gパン(ごうぶと)


価値:不明


状態:極めて頑丈(材質:異世界産デニム)


能力:【システムへの負荷が限界を超過】。読み取り不能。【異界の神器】の反応、最大値。


コウタが叫ぶ。


「読み取り不能、最大値!間違いなく『最終神器』でござるよ!」


3. 三種の神器、揃い踏み


コウタは、今まで履いていた汚れたスウェットのズボンを脱ぎ捨てた(ハルボウはまた目を逸らすが、彼女の顔は感激で紅潮していた)。


そして、その伝説のGパンに足を滑り込ませた。


コウタの太鼓腹と太い足に、伝説のGパンはピッタリとフィットした。


Gパンを履いた瞬間、コウタの体から凄まじい魔力がほとばしった。


その魔力は、ビン底メガネが発動させた鑑定チート、チェックのシャツが発動させた防御チート、そして異臭を放つ竹刀に宿る能力不明の力と、完璧に共鳴した。


コウタが苦しそうな声を上げる。


「グフッ……!こ、これは……!体中の魔力回路が、破滅的な魔力に、馴染んでいくでござる!」


コウタの体は常人の魔力回路を破壊するはずのGパンの魔力に耐え、更なる力を解放した。


「デュフフフフフフ!『ビン底メガネ』!『チェックのシャツ』!そして『Gパン』!三種の神器、コンプリートでござるよ!」


コウタは、ビン底メガネを光らせ、チェックのシャツに身を包み、Gパンを履き、異臭の竹刀を構える。


その姿は、どちゃくそイケメンの聖戦士としては最高の装備だが、外見的には「最強の不審者」でしかなかった。


コウタは宣言する。


「さあ、王女殿(仮)よ。これで拙者は最強になったでござる!このハルジオン王国を拠点に、魔王討伐の旅を再開するでござるよ!」


コウタの旅は、「三種の神器」を揃え、「最後の王女」と「正体不明のゴブリン」を仲間に加え、魔王討伐という最終目標へと、本格的に歩み出したのだった。

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