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# 第五十話:規格外の格闘と、Gパンの機能停止
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## **1. 最後の神器と、残虐の武力**
コウタは、既に膝に穴が開いたダメージジーンズ(Gパン)、チェックのシャツだけを身につけ、盲目状態でガラマードと対峙した。
ガラマードは、価値あるリュックが逃げたことに激怒していた。
だが、目の前のコウタが『絶対防御』という破壊不可能な壁となっていることに、「残虐」の本能を刺激されていた。
ガラマード「この醜いデブめ……!」
彼の声が、怒りで震える。
ガラマード「貴様のその防御のチートが、我が『残虐』の武力に勝るとでも言うのか!」
ガラマードは、斧を握り直した。
ガラマード「貴様の上半身は破壊できずとも、貴様の『足』は無傷ではないだろう!」
ガラマードは、巨大な斧を水平に薙ぎ払うことを諦め、Gパンを狙って、凄まじい脚力でコウタの膝下を蹴り上げた。
コウタは視覚を失っているが、Gパンの『規格外身体チート』による超・反射神経が、その蹴りを感知した。
コウタは蹴りを避けることはできた。
だが、その際の衝撃波と魔力が、既に耐久力の限界に達していたGパンを襲った。
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## **2. Gパンの機能停止と、身体能力の喪失**
ブツリ、ブツリ……
派手な破壊音ではなかった。
むしろ、内部の魔力回路が断線するような、静かで決定的な音が響いた。
既にアバドン戦で耐久力のリソースをほとんど失っていたブカブカのGパンは、ガラマードの衝撃波の魔力に晒されたことで、『規格外身体チート』の制御コアが焼き切れ、機能を完全に停止した。
コウタの膝のダメージジーンズの穴はそのままだった。
だが、彼の身体を支えていた規格外の速度と筋力が、一気に霧散した。
コウタは、ただの「デブで汚い、盲目の人間」へと戻った。
コウタ「……デュフ。これもデリートでござるか!」
これでコウタは、シャツ(防御)のみを残し、竹刀(攻撃触媒)、グローブ(魔力制御)、メガネ(鑑定)、リュック(収納)、Gパン(身体能力)という、五大神器の四つが戦闘から離脱した。
ガラマード「ふん! 残るは、その『防御のチート』のみ!」
彼の目が、勝利の確信に満ちた光を宿す。
ガラマード「貴様はもう、ただの『無価値な肉塊』だ! 貴様のその最後の醜い服を脱がせて、その肉塊を粉砕してやるわ!」
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## **3. チェックのシャツ、最後の舞台**
コウタは、完全に動きが鈍り、身体能力が低下したにも関わらず、その口角は最大限に上がっていた。
彼は、シャツに触れるガラマードの攻撃を、最小限の動きで受け流し続けた。
コウタ(内心)
(最高でござるよ! 『盲目』、『機能停止』、『裸一貫(シャツ以外)』!)
彼の顔に、狂気に満ちた笑みが浮かぶ。
コウタ(内心)
(『絶対防御』だけが残った! ここで、ハルボウ殿を『救済』し、『王国の希望』という究極の『救済ロールプレイ』を完結させるでござるよ!)
この時、王城の屋根の上から、ハルボウが、コウタの指示で王城に戻る途中に、戦況を見守っていた。
ガラマードは、コウタとクロードの会話に苛立ち、聖都の広場に立っているハルボウの存在を初めて認識した。
ガラマード「ふん! あの小さな女が、この王国の『希望』か!」
彼の目が、残虐な光を宿す。
ガラマード「『希望』などという『無価値な概念』こそ、我が『残虐』が最も叩き潰したいものだ!」
ガラマードはコウタへの攻撃を止め、ハルボウに向けて、全身の魔力を凝縮した残虐の破壊光線を放った。
それは、絶対防御をまとっていない者にとっては、回避不可能な即死の一撃だった。
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# 第五十一話:絶対防御の献上と、残虐のデリート
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## **1. 最後の神器と、究極の献上**
ガラマードが放った残虐の破壊光線は、『王国の希望』であるハルボウへと、回避不能な速度で迫った。
その瞬間、コウタは動いた。
コウタは、盲目で身体能力を失ったにもかかわらず、自身の『汚い美学』の最終目的に向かって、正確に身体を動かした。
コウタ「フンッ! 拙者の『絶対防御チート』は、『汚れた聖戦士の命』を守るためのものではない!」
彼は、自らの身体に手をかけた。
コウタ「『王国の希望』を守るための『最後の切り札』でござるよ!」
コウタは、自らの身体で破壊光線を受け止めるのではなく、身に纏っていたチェックのシャツを、電光石火の速度で脱いだ。
そして、その汚らしいチェックのシャツを、ハルボウへと投げつけた。
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## **2. シャツの機能停止と、ハルボウの救済**
シャツがコウタの体から離れた瞬間、シャツに宿っていた『絶対防御チート』の魔力は、「宿主」から「シャツを纏う者」へと瞬時に移譲された。
絶対防御チートを纏ったチェックのシャツは、ハルボウの身体を覆い隠し、ガラマードの残虐の破壊光線を完璧に受け止めた。
ゴオオォォォン!!
凄まじい爆発が起こった。
だが、ハルボウは一本の髪すら傷つけられることなく、無傷だった。
コウタは、シャツを脱ぎ捨て、上半身裸(汚いTシャツ姿)になった。
その身体にガラマードの魔力の余波を浴びながら、高らかに笑った。
コウタ「デュフフフフフ! 見事でござるな、『残虐』のガラマード殿!」
彼の口角が、最大限に上がる。
コウタ「貴殿の『純粋な武力』は、拙者の『汚い美学』によって、『王国の希望』を救う最高の演出となったでござるよ!」
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## **3. 裸一貫の勝利**
コウタは、これで五つの神器(リュック、グローブ、Gパン、竹刀、シャツ)と二つの補助アイテム(メガネ、バンダナ)を、全て失った。
彼の身体に残るチートは、既に機能停止したGパンの残骸と、ビン底メガネがない盲目、そして「異世界のオタク」の肉体のみ。
しかし、コウタはガラマードの真正面に立ち続けた。
ガラマード「ば、馬鹿な!」
彼の声が、困惑で震える。
ガラマード「なぜ貴様は、その『防御のチート』を、よりにもよって『無価値な女』に与えたのだ!」
ガラマードは、全ての力を失い、上半身裸で立つコウタに、最後の怒りを込めて斧を振り下ろした。
ガラマード「死ね! 汚いデブめ!」
その瞬間、コウタは『超・鑑定チート』が破壊される前に収集していた「ガラマードの魔力回路の弱点」、そして「規格外の身体チート」が失われる前に体が記憶していた「最後の超反射神経」を、全て使い果たした。
コウタは、斧の風圧と魔力流を頼りに、盲目状態でガラマードの懐に潜り込んだ。
Gパンの規格外の体術が消える寸前に、ガラマードの鎧の隙間へと、唯一無二の最強の拳を叩き込んだ。
ドシュッ!
コウタの一撃は、ガラマードの魔力中枢を正確に貫いた。
ガラマードは、「なぜ、この無能な人間が……?」という驚愕と憎悪の表情を浮かべたまま、音を立てて塵と化した。
残虐の四天王、ガラマード、デリート完了。
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## **4. 終結と、残された美学**
聖都アウローラには、静寂が戻った。
コウタは、全身に傷を負い、その場に崩れ落ちた。
彼の周りには、神器の残骸と、破壊された聖都の石畳が広がっていた。
クロードとアリエルは、ハルボウを庇ったコウタの「究極の自己犠牲」を目の当たりにし、その「汚い美学」の真髄に、言葉を失っていた。
コウタは、最後の力を振り絞り、倒れ伏したまま、汚らしい笑顔を浮かべた。
コウタ「……デュフフフフフ。これで、四天王は、全てデリートでござるよ」
彼の声は、満足げに震える。
コウタ「拙者の『装備破壊ロールプレイ』も、これにて完結でござる……」
聖戦士コウタの物語は、ここから新たな局面を迎える。
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# 第五十二話:無垢なる承認と、残された者たち
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## **1. 聖戦連合の目覚め**
ガラマードのデリートにより、聖都アウローラを覆っていた戦いの熱狂と残虐な魔力は急速に浄化されていった。
コウタは意識を失い、汚れたTシャツ姿の上半身裸で、聖都の瓦礫の上に倒れ伏している。
クロード、アリエル、そして聖女フィオナは、コウタの周りに集まっていた。
クロードは、コウタの傍らに転がるビン底メガネの破片や、引き裂かれたバンダナの残骸を見つめた。
全身の力が抜けていくのを感じる。
クロード「バカな……。まさか、彼が本当に、全ての力を捨てて、四天王を討伐しただと……?」
彼の声が、震える。
クロード「我々が目指した『高潔な正義』よりも、この『自己犠牲』の方が、真実の『聖戦士』であったというのか……!」
聖女フィオナは、コウタの醜い姿、不潔なTシャツ、そして異臭に満ちた身体を見ても、嫌悪感を一切示さなかった。
彼女は静かに跪き、コウタの傷ついた肉体に、神聖な回復魔法をかけ始めた。
フィオナ「この方こそ、真に『無垢なる聖戦士』」
彼女の声は、慈愛に満ちている。
フィオナ「自らの『力』を全て捨てて、『希望』を守り抜かれた……。彼の『汚い美学』こそ、神が認める『真の愛』の形だったのかもしれません」
コウタの「汚い美学」は、ついに『清廉な正義』を掲げる聖都アウローラの人々にも、「真の愛と献身」として認められた瞬間だった。
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## **2. ハルボウの決意と、ユリナの確信**
その傍らで、コウタのチェックのシャツを抱きしめ、無傷で立っていたハルボウは、ボロボロと涙を流していた。
ハルボウ「コウタしゃま……私のために、『絶対防御チート』を……!」
彼女の小さな体が、感動で震える。
ハルボウ「私の命のために、『最強の神器』を捨ててくれた……!」
彼女は、コウタから受け取ったシャツを、王族の最も高価なローブよりも大切そうに抱きしめた。
そして、まっすぐにクロードとアリエルに向き直る。
ハルボウ「クロード様、アリエル様。私たちハルジオン王国は、この『王国の希望』を守り、コウタ様が築いてくださった『聖戦連合ロールプレイ』を、最後までやり遂げます!」
ユリナも、鎖を鳴らしながら、コウタの献身的な姿に、「奴隷」としての忠誠心を超えた、深い敬意を抱いていた。
ユリナ「ご主人様は、『チート』の力を全て失いました」
彼女の瞳が、静かな決意の光を宿す。
ユリナ「しかし、その『汚い美学』は、四天王という全ての敵を討ち、『聖戦連合』を真の意味で成立させました。残るは、魔王のみ……。私たちは、ご主人様を、『魔王討伐』の舞台へお連れしなければなりません」
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## **3. 魔王城への道筋**
コウタは、聖女フィオナの回復魔法を受けながら、かすかに意識を取り戻した。
彼は、力の抜けた右手で、Gパンの損傷した膝の部分を触った。
コウタ(内心)
(フム。これで、『五大神器デリートロールプレイ』は完結でござる。残るは『魔王討伐』)
彼の口角が、僅かに上がる。
コウタ(内心)
(神器を全て失った『裸一貫の聖戦士』が、『ラスボス』に挑む……これこそ、最高の最終決戦ロールプレイでござるよ!)
クロードは、コウタの目が見えていないこと、そしてその身体が限界を超えていることを悟り、静かに決断した。
クロード「フィオナ、コウタ殿の治療を急いでくれ。アリエル、エルフ王国と聖都の残存戦力を集めるんだ」
彼は、コウタを見つめた。
クロード「……コウタ殿。貴殿の『美学』は、我々の『正義』を超えた。我々『聖なる光輪』と、ハルジオン王国が、貴殿の『最後の舞台(魔王城)』を整えます」
こうして、神器を全て失い、体力を消耗し尽くした「汚い聖戦士」コウタと、彼の「汚い美学」を理解し、その役割を受け入れた「聖戦連合」は、魔王が待つ最後の戦場へと向かう準備を始めたのだった。
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# 第五十三話:慈悲と、魔王への最終準備
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## **1. 聖女の無償の慈悲**
聖女フィオナは、コウタへの治療を終え、その無残な姿から解放されたハルボウを安心させた。
そして、静かにユリナに向き直った。
ユリナは、首に繋がれた奴隷の鎖を鳴らしながら、警戒心を露わにしていた。
彼女は、聖都の人間たちが、彼女のような元・奴隷に、ましてや「汚らしい聖戦士の鎖付き」に対して、何の温情も示さないと確信していた。
ユリナ「何の御用でございますか、聖女殿」
彼女の声は、冷ややかだ。
ユリナ「汚らわしい奴隷風情は、早く退散しましょうか」
フィオナは、ユリナの冷ややかな言葉にも動じず、ただ慈愛に満ちた瞳で彼女を見つめた。
フィオナ「ユリナ殿。貴女の才覚と、この聖戦で貴女がコウタ殿と共にした苦難は、神々も見ているはずです」
彼女は、優しく微笑んだ。
フィオナ「鎖は、貴女の魂を縛るものではありません。貴女もまた、聖戦の傷を負った英雄です」
そう言って、フィオナはユリナに向かって、再び神聖な回復魔法を放った。
キラキラと輝く光の粒が、ユリナの全身を包み込む。
彼女がエルフ王国で負った心の傷、そして鎖による肉体的な疲労が、一瞬で癒やされていく。
さらに、彼女の首につけられた奴隷の鎖も、魔力的な痕跡を消され、ただの金属の輪へと変わった。
ユリナは、その「無償の慈悲」に、初めて動揺した。
彼女の世界観は、「価値ある者だけが生き残る」という冷徹なものだった。
だが、フィオナの行為はそれを根本から揺るがした。
ユリナ「これは……。なぜ、私のような汚らわしい人間にまで……?」
フィオナ「コウタ殿の『汚い美学』は、『最も汚い手段で、最も美しい結果を出す』ことです」
彼女の瞳が、温かい光を宿す。
フィオナ「そして、その『汚い手段』を支えた貴女も、『希望』です」
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## **2. 最終決戦への再編成**
傷を癒やされたユリナは、その頭脳と魔力を再起動させた。
彼女は、コウタが全ての神器を失ったにも関わらず勝利した事実を冷静に受け止めた。
コウタは、フィオナの魔法によって深手を回復し、意識を完全に回復させた。
彼は、メガネのないぼやけた視界の中で、ユリナの周囲の魔力が安定していることを感じ取った。
コウタ(内心)
(デュフフ。見事でござるよ、フィオナ殿)
彼の口角が、僅かに上がる。
コウタ(内心)
(『これぞ『真の聖女ロールプレイ』でござる。拙者の『汚い美学』の最終章は、『全ての敵味方を巻き込んだ、究極の救済と献上』でござるな!)
コウタは、汚いTシャツと損傷したGパンの残骸を身につけたまま、立ち上がった。
コウタ「クロード殿、アリエル殿。聖女殿の治療、感謝でござる」
彼は、自らの身体を見下ろした。
コウタ「拙者は、これで『五大神器』を全てデリートした。今や、『裸一貫の聖戦士』でござるよ」
クロードは、その姿に敬意を払い、深く頭を下げた。
クロード「コウタ殿。我々は、貴殿の『汚い美学』を侮っていました」
彼の声は、敬意に満ちている。
クロード「貴殿は、全ての『力』を捨てて、我々の『希望』を救った。魔王討伐の最終決戦は、我々『聖戦連合』が、貴殿のために『舞台』を整えます」
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## **3. 魔王城、最終決戦の号令**
ハルボウ、アシュレイ、ユリナという「ハルジオン王国の天才集団」と、クロード、アリエル、フィオナという「聖都アウローラの聖戦連合」は、コウタを核として、ついに一つになった。
コウタは、最後の力を込めて、聖都アウローラの兵士たち、そして聖戦連合の仲間たちに向かって、盲目の瞳で宣言した。
コウタ「デュフフフフフ! 『残虐』、『強欲』、『傲慢』、『策謀』の四天王は、全て拙者の『汚い美学』によってデリートされた!」
彼のビン底メガネのない顔が、狂気に満ちた笑みを浮かべる。
コウタ「残るは、『ラスボス』たる魔王のみでござる!」
コウタは、神器を失った「異世界のオタク」に戻り、魔王という最強の敵に立ち向かう。
彼の身体には、もはやチートの力は残っていない。
しかし、その背後には、彼が「汚い美学」を以て救い、その献身に心動かされた、全ての人々が立っていた。
コウタ「さあ、参るでござるよ!」
彼の声が、戦場に響く。
コウタ「『究極の自己犠牲ロールプレイ』の完結、そして『最高のエンディング』を迎えに、魔王城へと向かうでござる!」
ここに、神器を全て失った聖戦士による、魔王討伐の最終章が開かれた。
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クリスマスフルパワー
俺ができる全力だ!




