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# 第四十七話:聖都アウローラからの緊急報と、最後の残虐
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## **1. 聖都からの緊急要請**
アバドンを討伐し、ハルジオン王国で戦果の確認とわずかな休息を取っていたコウタ一行。
その王城に、聖都アウローラから緊急の伝令が飛び込んできた。
伝令は、血だらけで息を切らしていた。
その様子だけで、伝言の重要性が伝わる。
伝令「こ、コウタ殿! アウローラから、緊急の要請でございます!」
彼は必死に言葉を続けた。
伝令「『残虐のガラマード』が、聖都アウローラへの大規模侵攻を開始しました!」
コウタはビン底メガネを調整し、冷静に状況を分析した。
ガラマードの侵攻は予想されていたが、そのタイミングはコウタの計算よりも早い。
コウタ「フム。残るは『残虐』」
彼のビン底メガネが、静かに光る。
コウタ「我々が『強欲』をデリートしたことを知り、すぐに動いたでござるか。さすが『純粋な武力』の四天王でござるよ!」
ハルボウは顔を青くした。
ハルボウ「ガラマードは、四天王の中でも最も残虐で、武力が規格外のはずだよ!」
彼の小さな体が、不安で震える。
ハルボウ「しかも、聖都アウローラにはクロード様たちがいるけど、ヴェクサス戦で疲弊している!」
ユリナは鎖を鳴らし、静かにコウタに問いかけた。
ユリナ「ご主人様。あの『残虐』の四天王は、『策謀』や『強欲』とは異なり、純粋な『力』で全てを押し潰します」
彼女の瞳が、コウタを見つめる。
ユリナ「竹刀(攻撃制御)を失い、グローブ(魔力制御)を失い、Gパン(防御)が損傷している今、どう立ち向かうおつもりでございますか?」
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## **2. コウタの決断と最後の装備**
コウタは、『超・鑑定チート』をフル稼働させ、自身に残された神器と、ガラマードの能力を比較した。
**コウタの損失:** 竹刀(攻撃触媒)、指ぬきグローブ(魔力制御)、Gパン(防御力低下)。
**コウタの残存:** チェックのシャツ(絶対防御)、ビン底メガネ(超・鑑定)、リュック(無限収納)。
コウタは、その汚らしいチェックシャツを指差し、不敵に笑った。
コウタ「デュフフフフフ! 貴殿の懸念はごもっともでござるよ、ユリナ殿」
彼のビン底メガネが、禍々しく光る。
コウタ「しかし、拙者の『汚い美学』は、『最強の状況で勝つ』ことではない!」
コウタは、リュックの中からバンダナを取り出した。
コウタ「『最悪の状況で、美しく勝つ』ことこそ、至高でござる!」
彼はバンダナを額に巻き付けながら宣言した。
コウタ「残るは『純粋な武力』との戦いでござる!」
コウタの目が、狂気に満ちた光を宿す。
コウタ「『策謀』や『強欲』には知略で勝ったが、『残虐』には、『全ての神器を破壊し、裸一貫で打ち勝つ』という、究極の自己犠牲ロールプレイで対抗するでござるよ!」
コウタの目には、既にガラマード戦での全ての神器破壊のシナリオが見えていた。
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## **3. 聖都アウローラへの転移**
アシュレイは、コウタの決意に満ちた姿を見て、すぐに王城の魔導士に指示を出した。
アシュレイ「コウタ様、転移ポータルの準備を! 王国の全予算をかけて、聖都へ最短で移動できる術式を組みます!」
コウタは、チェックシャツ、Gパン(損傷)、ビン底メガネ、バンダナ、そしてリュックという、残された神器を全て装備した。
ハルボウ、ユリナ、ゴブリン助を伴って、転移ポータルの中央に立つ。
コウタ「さあ、参るでござるよ!」
彼のビン底メガネが、最後の輝きを放つ。
コウタ「拙者の『装備破壊ロールプレイ』を邪魔する『残虐』など、この世界には不要でござる!」
コウタ一行は、一瞬の閃光と共に、激戦の最中にある聖都アウローラへと転移した。
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# 第四十八話:ガラマード戦、開戦!~バンダナとメガネの連鎖的崩壊~
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## **1. 聖都の惨状と最後の四天王**
コウタ一行が転移した先は、既に戦火に包まれた聖都アウローラの中心広場だった。
聖戦連合の兵士やクロードの仲間たちが奮戦しているが、戦況は圧倒的に不利だ。
広場の中心に立つのは、巨大な体躯と全身を覆う重厚な鎧、そして残虐な笑みを浮かべた最後の四天王——
『残虐のガラマード』だった。
ガラマード「愚かな虫けらどもめ」
彼の声は、低く、禍々しい。
ガラマード「我が『残虐』の武力の前で、抵抗など無駄なこと! 全てを、力でねじ伏せてくれるわ!」
クロード、アリエル、フィオナたち『聖なる光輪』のメンバーは、ヴェクサス戦の疲弊も残る中、必死にガラマードを食い止めていた。
クロード「コウタ殿! 間に合ったか!」
彼は血まみれで叫ぶ。
クロード「奴の武力は規格外だ! 連携を急げ!」
コウタは、『超・鑑定チート(ビン底メガネ)』でガラマードの戦闘能力を一瞬で解析した。
コウタ(内心)
(フム。純粋な武力、防御力、そして攻撃速度、全てが規格外)
彼のビン底メガネが、静かに光る。
コウタ(内心)
(『制御』を失った拙者では、まともに打ち合っても勝機はない。やることは一つ、『装備破壊ロールプレイ』の遂行でござる!)
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## **2. 『残虐』によるバンダナのデリート**
コウタは、損傷したGパンの規格外身体チートを解放し、超高速でガラマードへと肉薄した。
攻撃の意図ではなく、ガラマードの「武力」を神器へと誘導するためだ。
コウタ「デュフフ! 『残虐』の四天王よ!」
彼は挑発的に頭を突き出した。
コウタ「その蛮力、拙者の『美学の装備』で受け止めてみるでござるよ!」
コウタは、ガラマードの振り下ろした巨大な斧を受け止める体勢に入った。
ガラマードは、目の前の汚らしいデブの挑発に激昂し、容赦なく斧を叩きつける。
ガラマード「貴様のような汚れた奴が、我が斧を舐めるな!」
ドガァン!という轟音。
コウタの頭部は斧の側面によって直撃を受けそうになったが、コウタは間一髪で頭を傾け、斧の刃を額に巻いていたバンダナへと誘導した。
バリバリッ!
ガラマードの純粋な武力は、コウタの『絶対防御チート』を破ることはできなかった。
だが、斧の側面に擦られたバンダナは、一瞬で引き裂かれ、粉々になった。
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## **3. ビン底メガネの破裂と、鑑定チートの喪失**
バンダナは、『超・鑑定チート』が収集する膨大な情報を制御するための「触媒と制御装置」だった。
バンダナが破壊された瞬間、コウタの脳内には、制御を失った凄まじい量の情報が、一気に流れ込んできた。
ガラマードの能力、戦場全体の魔力、クロードたちの疲弊度——
コウタ「グッ……! まさか、この情報量が……!」
彼の脳は情報処理の限界を超え、その負荷は、ビン底メガネのレンズへと集中した。
キィンッ! パリーン!!
コウタの鼻にかかっていたビン底メガネのレンズが、情報過多による魔力オーバーフローによって、音を立てて破裂した。
粉々になったレンズの破片は、コウタの顔面から飛び散る。
コウタは視界を失い、一瞬よろめいた。
コウタ「……デュフ。拙者の『超・鑑定チート』が、機能停止でござるか……!」
これでコウタは、竹刀(攻撃触媒)、指ぬきグローブ(魔力制御)、バンダナ(鑑定制御)、ビン底メガネ(超・鑑定)という、四つの神器/補助アイテムを失った。
残るは、チェックのシャツ、Gパン(損傷)、そしてリュックのみ。
コウタは、視界を失いながらも、その口角を上げる。
コウタ(内心)
(最高でござるよ! 『残虐』との戦いで、『情報』という最大の武器を捨てた!)
彼の顔に、狂気に満ちた笑みが浮かぶ。
コウタ(内心)
(『裸一貫・目も見えず・制御も効かない』という、究極の自己犠牲ロールプレイの舞台が整ったでござる!)
ガラマードは、コウタが突然の盲目状態になったことに気づかず、怒りの形相で斧を振り上げた。
ガラマード「ふん! 汚いデブめ! 貴様のその醜いシャツも、引き裂いてくれるわ!」
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# 第四十九話:シャツの絶対防御と、リュックの最終選択(改善版)
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## **1. 絶望的な防御戦**
ビン底メガネを失い、視界を奪われたコウタは、ガラマードの怒りの一撃を、無防備な上半身で受け止めた。
ガラマードの巨大な斧が、コウタの汚らしいチェックのシャツに、凄まじい轟音と共に叩きつけられる。
ドゴォォォン!!
地響きが起こり、聖都の石畳が粉砕された。
その一撃は、周囲の兵士たちが巻き込まれれば即死するほどの純粋な武力だった。
しかし、コウタは微動だにしなかった。
斧がシャツに触れた瞬間、シャツから放出される『絶対防御チート』の力が、ガラマードの「残虐の武力」を完全に受け止め、無効化したのだ。
ガラマード「な、なんだと……!?」
彼の目が、信じられないという光を宿す。
ガラマード「我が斧の一撃が、この汚い布一枚に、防がれただと!?」
コウタは、視界がないにも関わらず、不敵に笑った。
コウタ「デュフフフフフ! 残念でござるな、『残虐』のガラマード殿」
彼の口角が、深く上がる。
コウタ「拙者の『絶対防御チート』は、貴殿の『純粋な武力』程度では、傷一つ付けられぬでござるよ! これこそが、『汚い美学』の最終防壁でござる!」
コウタのシャツは、斧の油汚れがついただけで、一本の糸すら切れていない。
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## **2. 最後のチート、リュックへの誘導**
ガラマードは狂乱し、斧を何度も振り下ろすが、結果は全て同じ。
彼の攻撃は、シャツの絶対防御の前に、ただの「無意味な武力」へと変わってしまう。
コウタは、防御に徹しながら、『汚い美学』の最終シナリオを脳内で実行した。
コウタ(内心)
(フム。拙者の『無能な演技』と『絶対防御』により、ガラマードの意識は、シャツの破壊に集中したでござる)
彼は盲目のまま、冷静に分析を続ける。
コウタ(内心)
(残るは『無限収納リュック』と『損傷したGパン』。『最終決戦ロールプレイ』を完成させるためには、『資金源』を断ち、『防御』を完全に捨てねばならないでござるよ!)
コウタは、背負っている無限収納リュックに手を触れた。
このリュックには、ハルジオン王国の全財産に等しい資金源が収められている。
ガラマードがその価値を理解すれば、アバドンと同様に『強欲』に転じる可能性がある。
コウタは、ハルボウに大声で叫んだ。
コウタ「ハルボウ殿! 拙者の『無限収納リュック』を、すぐに王城のアシュレイ殿の元へ戻すでござる!」
彼の声は、戦場に響く。
コウタ「貴殿は、『王国の希望』として、財産を守るロールプレイに専念せよ!」
ハルボウはコウタの意図を察し、涙をこらえながら頷いた。
ハルボウ「コウタ様……承知いたしました!」
彼の小さな拳が、決意で震える。
ハルボウ「私が、このリュックを守り抜いてみせます!」
ハルボウは、ゴブリン助とユリナと共に、リュックをコウタの背中から外し、王城へと走り出した。
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## **3. コウタ、四つのチートを失い、裸一貫へ**
ガラマードは、価値のあるものが戦場から離脱しようとしていることに気づき、初めて狂乱した。
ガラマード「待て! その『資源』を逃がすな!」
彼の目が、貪欲に光る。
ガラマード「我が『残虐』は、『無価値な者』に興味はない! 『最も価値ある資源』を破壊したいのだ!」
ガラマードは、ハルボウたちを追おうとするが、コウタは損傷したGパンの身体チートを使い、その通路を命がけで遮った。
コウタ「デュフフフフ! 『残虐』の四天王よ!」
彼は盲目のまま、ガラマードを見据える。
コウタ「貴殿が今、破壊すべき『価値』は、この拙者の『汚い美学』でござるよ!」
コウタは、自らリュックを手放したことで、五つの神器のうち、リュック、竹刀、グローブ、メガネの四つのチートが、戦闘から完全に離脱した。
残るは、シャツ(絶対防御)とGパン(損傷)のみ。
コウタの目的は、ガラマードの意識を完全に自分に向けさせ、最後の神器破壊の舞台を整えることだった。




