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聖戦士コウタの物語
第三十四章:聖王宮の謁見と、王国の支配
1. 聖王宮への到達
コウタ一行は、動揺する衛兵たちと広場で立ち尽くす勇者クロードを尻目に、誰も止められないまま聖王宮へと続く階段を上り切った。
王宮内は、不潔なコウタの突然の侵入に激しい混乱に陥っている。
「デュフフフフ! 聖王宮に到達でござるよ! ロールプレイは、『大悪党が王宮に乗り込み、強引に世界を支配する』展開へ移行するでござる!」
広間には、聖都の統治者である聖王と、宰相、枢機卿といった重鎮たちが集まっていた。
彼らはコウタの放つ異臭と、あまりにも「浮いた」姿に顔を青ざめさせる。
「な、何者だ! 貴様のような不潔極まりない者が、なぜ聖王宮に……! 衛兵! 衛兵はどこだ!」
「この異臭はなんだ! 早く、この汚染源を外に出せ! 聖都の清浄さが汚される!」
彼らの侮蔑は、純粋な潔癖症であったクロードとは違い、傲慢な特権意識から来るものであった。
コウタはビン底メガネを怪しく光らせ、『超・鑑定チート』を起動する。
「デュフフ。そちらが聖王殿でござるか。拙者はハルジオン王国の聖戦士コウタ。貴殿らの『隠しステータス』は……フム、『奴隷市場の裏金横領:Lv.85』に『魔王軍との秘密交渉:Lv.92』でござるか! 最高の『悪役テンプレート』でござるな!」
2. ユリナによる告発と支配の開始
あまりにも正確な「裏の顔」の暴露に、聖王たちの顔は恐怖に歪んだ。
彼らが狼狽している隙に、ユリナが毅然と一歩前へ出る。
「宰相殿! 枢機卿殿! 私を忘れたとは言わせません! 私はエルフの王女ユリナ。貴方方が奴隷市場の収益によって、我が種族をどれほど苦しめてきたか、その全てを告発いたします!」
今のユリナに「メスブタ奴隷」の卑屈さはない。
裏の事情を握る高潔な王女としての威厳が、聖都の重鎮たちを圧倒する。
「コウタしゃま! この裏切り者どもを早く叩き潰そうよ! チェックシャツの絶対防御チートで、王宮を更地にしてやる!」
「フム。早まるでない、ハルボウ殿(仮)。拙者のロールプレイは、『強大な力で敵を完全に支配し、利用する』でござるよ!」
3. 内政チートによる王国の接収
コウタはリュックから、一本の汚れた竹刀を取り出した。
それは魔力制御によって異臭を抑えているが、コウタの『内政チート』を起動させるためのスイッチだ。
「聖王殿、宰相殿。貴殿らの『不正の記録』は全て、拙者の『無限収納チート』の中に保管されているでござるよ。拙者は、貴殿らの『悪役』としての役割を、『魔王討伐のための資金提供者』へと書き換えるでござる!」
コウタは竹刀を地面に突き立てた。
『超・鑑定チート』で解析した政治・軍事・経済の全データを掌握し、『内政チート』が発動する。
「今日この時から、聖都アウローラの全ての資源は、聖戦士コウタの指揮下に入るでござる! 貴殿らは、拙者の『魔王討伐ロールプレイ』を、資金と人員で支えるでござるよ!」
「うぐっ……! まさか、この短期間で……我が聖都の全てを掌握したというのか……!?」
武力ではなく、圧倒的な情報量とチートによる権力支配。
大国アウローラは、わずか数分でコウタの支配下に置かれた。
第三十五章:聖戦士の慈悲と、勇者一行への協力要請
1. 聖都の支配と勇者の説得
統治開始から数日。
チートによる内政指示は驚異的な速度で実行され、聖都の秩序は目覚ましい回復を見せていた。
コウタは相変わらずのチェックシャツ姿で、聖王宮の一室にてクロードと対峙する。
「コウタ……貴様の『不潔な統治』は、確かに驚くべき結果を出している。貴族の不正は暴かれ、貧困層への支援も始まった。だが……私は貴様の汚れた力を認めることはできない!」
「デュフフフ。クロード殿。拙者の『汚れたチート』が、貴殿の『清廉な正義』よりも早く、『民衆を救う』という結果を出しているでござるよ。貴殿の『潔癖症』は、『民衆の命』よりも重いでござるか?」
クロードは言葉に詰まった。
コウタの実力が、彼のエゴを上回っていたからだ。
「拙者は、貴殿と『聖戦の競争』をしたいのではないでござるよ。拙者は、貴殿の『純粋な正義』と『覚醒した力』を必要としているでござる!」
「さあ、クロード殿。仲間の元へ行くでござる。拙者の『チート』が、彼らの命を救い、世界の運命を変えるでござるよ!」
2. 負傷した勇者一行との再会
コウタはクロードを伴い、療養室へと向かった。
そこには、先の激戦で衰弱しきったゼノス、フィオナ、オズワルドが横たわっていた。
「クロード様……申し訳ありません。私の聖なる癒やしでも、ゼノス様の傷を治すには時間がかかります……」
「すまない、クロード。私は、このままでは君の足手まといになる……」
クロードは震える声で、ついに己のプライドを捨てた。
「(歯を食いしばり)コウタ……頼む。貴様の『汚れた力』で、私の仲間を……救ってくれ!」
「デュフフフ! よろしい! 貴殿の『高潔な正義』が、ついに『汚れたチート』の力を必要と認めたでござるな!」
3. 規格外の「治療チート」と協力の締結
コウタは指ぬきグローブをはめた手を、聖女フィオナにかざした。
「『超・鑑定!』……フム。『魔力枯渇Lv.99』に『重度の外傷Lv.90』でござるな。よし!」
指ぬきグローブの魔力制御を「治癒モード」に切り替える。
汚れたチェックシャツの魔力が増幅され、手から荘厳な光が放たれた。
「食らうでござる! 『チェックシャツ式・規格外超回復チート』を!」
光が部屋を包み込む。
瞬時に外傷は消え、枯渇していた魔力が溢れ出す。
「な、なんだこの力は……! まるで、時間が巻き戻ったかのような……!」
「私の魔力が……一瞬で満タンに……。コウタ様……貴方は……!」
驚愕する仲間たちを前に、クロードは静かに頭を下げた。
「コウタ。貴様の力を認めよう。我々、勇者一行は、貴様の『魔王討伐ロールプレイ』に、全面的に協力する!」
「デュフフフフ! よろしい! 『最強の勇者パーティー』を、拙者の『聖戦士コウタの冒険(第二章)』に組み込むでござるよ!」




