第6話 「恋の三つ巴!? 反対父と姉妹と私」
私の旦那様――斎藤先生。
放課後ラブコメが日常になった今、突如として現れたのは反対父。
しかも、姉と妹までもが、先生を取り合う!?
今日の私は、笑って、泣いて、そして必死で恋を守らなきゃいけない。
ハプニングも甘さも、限界突破の一日――始まります。
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あらすじ
突然、父が学校に現れ、私と先生の関係を知ろうと詰め寄る。
さらに姉と妹が偶然学校に現れ、先生を取り合うことに。
教室は大混乱――先生と私は必死で恋を守ろうとする。
言い訳、逃げ道、ドタバタの連続。
結局、父の監視をすり抜け、姉妹との微妙な距離感も調整しながら、なんとか放課後を生き延びることに。
「恋の三つ巴!? 反対父と姉妹と私」
放課後。
薄く夕日が射し込む教室で、私はこっそり先生とノートを並べていた。
表向きは“補習”という名目。でも、本当は――少しでも先生と一緒にいたかった。
「ここ、もう少し字を丁寧に書いた方がいいな」
「は、はい……先生」
「……そんなに緊張しなくてもいいだろ」
先生が小さく笑って、私の髪に触れた瞬間。
――ガラッ。
「おい、何をしているんだ!」
ドアの向こうに立っていたのは――父だった。
手には封筒。怒りに震える眉、真っ赤な顔。
「やっぱりだ! こんな噂、信じたくなかったが……教師と生徒が、二人きりで!」
私は一気に顔が青ざめる。
先生は慌てて立ち上がり、頭を下げた。
「誤解です。彼女は生徒として、私は――」
「生徒として!? だったら、なぜ放課後に二人きりなんだ!」
教室の空気が凍る。
そのとき――
「お父さん、待って!」
廊下から姉の声が響いた。
その後ろから、なぜか妹まで現れた。
「姉ちゃん!? 妹まで!? どうしてここに!?」
「お父さんが学校に行くって言うから、心配でついてきたのよ」
「……それに、先生ってそんなに悪い人じゃないと思うし」
「うん、私もそう思う! それに先生、けっこうかっこいいし!」
――え?
一瞬で、姉と妹の視線が先生に注がれた。
姉は腕を組みながら微笑み、妹はキラキラとした目で先生を見上げる。
「ねぇ先生、実は私、前からちょっと気になってたんです」
「わ、私も! 勉強わかりやすいし、優しいし……!」
「な、なっ!? ちょっと二人とも!?」
思わず私の声が裏返った。
父は混乱しながら叫ぶ。
「お前たちまで何を言っているんだ!」
先生は苦笑しながら両手を上げた。
「ちょ、ちょっと待ってください。私は彼女――」
その瞬間、私は立ち上がって叫んだ。
「先生は……私しか、愛してません!」
教室が静まり返る。
夕日が差し込み、私の声だけが響いた。
父が呆然と私を見つめ、姉と妹もぽかんと口を開ける。
先生は一度だけ私を見て、ゆっくりとうなずいた。
「……ああ。その通りだ。俺は、彼女しか愛していない」
その一言で、私の胸が熱くなった。
父は沈黙したまま、しばらく何も言わなかった。
やがて、大きくため息をついて、腕を組む。
「……お前がそこまで言うなら、もう止められんな。ただし――」
「ただし?」
「娘を泣かせたら、教師でも許さん」
先生は真っ直ぐにうなずいた。
「約束します。泣かせません。どんな時も、彼女を守ります」
父はそれだけ言って、静かに教室を出ていった。
残されたのは、私、先生、そして妙に沈黙した姉と妹。
「……やっぱり、本気なんだね」
姉が小さくつぶやく。
「うん。ちょっと悔しいけど、応援してあげる」
「わ、私も! 次はいい人探す!」
三人で顔を見合わせ、笑った。
先生がそっと私の肩に手を置く。
「ふぅ……まさか、家族全員が来るとはな」
「ほんと……心臓が止まるかと思いました」
「でも、君の言葉があったから、全部吹き飛んだよ」
私は照れながら微笑んだ。
「……先生は、私だけの先生だから」
「そうだな。これからも、ずっと君だけの“先生”でいるよ」
夕日の中、二人の笑顔が重なる。
教室の窓から差す光が、少しだけオレンジ色に揺れた。
恋は、守るもの。
そして時には、誰かと戦わなければならないこともある。
でも、先生と私なら、どんなトラブルも乗り越えられる。
姉や妹、父――みんな巻き込んでしまったけど、私たちの恋は、まだまだ負けない。




