第2話 「放課後の秘密ラブハプニング」
授業が終わった後の学校は、普段の喧騒が嘘のように静かになる。
でも、私と旦那様――担任の斎藤先生――にとっては、静かだからこそ事件も起きやすいのだ。
今日は、放課後に二人だけで過ごすはずの時間に、どんなハプニングが待っているのか……。
ドキドキと笑いが入り混じる、放課後の秘密の時間をお楽しみください。
授業が終わり、教室の時計は午後四時を指していた。
生徒たちは部活や帰宅の準備でざわざわと動き始め、教室には徐々に静けさが戻ってくる。私はそっと机に顔を伏せ、深呼吸した。今日こそは――放課後、先生と二人だけで過ごす時間を楽しむつもりだ。
「ふぅ……やっと二人になれる」
心の中でつぶやきながら、教室のドアをそっと押す。すると、担任であり、私の旦那様である斎藤先生が、資料の整理に没頭していた。
「お疲れ様です、先生」
私の声に振り返った先生は、少し驚いた顔をしてからにっこり笑った。
「お、君も残っていたのか。今日は何をするつもりだ?」
放課後の教室は普段の学校とはまるで別世界。先生と二人きりの空間は、心臓の鼓動を少しだけ早くさせる。私は小さく頷き、机に座った。
「その……ちょっとだけ、先生と話したくて」
先生は頷き、資料を整理する手を止めた。まさかこの後、予想外のハプニングが待っているとも知らずに――。
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教室で静かな時間を楽しもうとした矢先、廊下のドアが急に開いた。
「先生ー!」
一人の生徒が大声で叫びながら入ってくる。慌てた先生は、書類を抱えたまま机の後ろに隠れるような体勢に。私も思わず「キャッ」と声を上げてしまった。
「こ、こんにちは……」
生徒は何かを伝えに来たらしいが、私たち二人の距離の近さに少し気まずそうな顔をする。先生は咄嗟に、書類の束で私の顔を隠すようにして、うまく誤魔化した。
「……大丈夫、大丈夫、すぐに終わる」
生徒が去った後、私は思わず肩を抱えながら笑った。
「先生……もう、私たちの時間を邪魔しないでください」
先生も照れ笑いを浮かべ、机の上に資料を戻す。その仕草に、私は胸がキュンとした。
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その後、二人は放課後の掃除を始めた。
普段は授業で厳しい先生だが、掃除中はどこか無防備で、私にちょっかいを出してくる。
「ここ、手伝ってくれ」
先生が指さしたのは、教室の隅の机の下。しゃがんでほうきで掃く私と、背中越しに近づく先生――距離が近すぎて心臓が跳ねる。
「……先生、近いです!」
「そうか?僕は普通の距離だと思うけど」
先生は淡々と言うが、その顔は少し赤らんでいた。私は思わず笑いながら、ほうきを握る手に力が入る。掃除中にこんなにドキドキするなんて……思ってもみなかった。
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さらに予想外のハプニングが起こる。風で飛んだ資料が廊下に散乱し、私たちは慌てて追いかけることになった。二人で廊下を駆け回り、紙を拾い集める中で、身体が何度もぶつかる。
「……もう!先生、しっかりしてください!」
「君もな!」
思わず笑い合い、息を整えながら資料を集める。ドタバタの中、互いの距離感が自然に縮まっていく。
ようやく片付けが終わり、教室に戻った二人は、少し疲れた表情で向かい合う。先生は私の肩にそっと手を置き、優しく微笑んだ。
「今日も一緒にいられてよかった」
私は頬を赤らめながら、心の中で答えた。
「私も……です」
こうして放課後の秘密の時間は、ドタバタと笑いと、ほんの少しの甘さに包まれて終わった。
学校でも家庭でも、旦那様との日常はいつも事件続き。だけど、この瞬間だけは、誰にも邪魔されない二人だけの特別な時間――それが私にとって、何より大切なのだった。
放課後のドタバタを乗り越え、二人だけの時間を少しだけ楽しむことができた。
学校では教師と生徒の立場で、家庭では夫婦――二人の関係はちょっと複雑だけど、だからこそ甘くて面白い。
これからも、日常の小さな事件とラブコメが絶えない私たちの毎日を、ぜひ見守ってほしい。




