第六夜 ホーリーキャットと愛の夜
たまたま彼の奥さんが拾った猫が
数百年に一匹しか生まれないと言う
ホーリーキャットだったのだ。
ホーリーキャットとは
絶大な癒しの力を持つ特別な猫のことである。
しかも寿命は約100年と長く、
その姿は見るだけで高貴な存在とわかり
猫の額には爪と同じ色の宝石があるいると言われている。
存在していたら
時の権力者に奪われるような存在。
ロギンの妻はホーリーキャットとは知らず、
少しの間
共に過ごし寿命のため虹の橋を渡ってしまった。
愛妻をなくしたが、
愛妻が愛した猫を
さらに大切にする愛情深き闇の魔法使いロギン。
愛妻が亡くなった後に
ホーリーキャットであることを知り、
その存在を他の人に知られると、
無理矢理引き離され奪われてしまうと思った。
そこで誰も知らない砂漠のオアシスに城を築き上げ、
(合法的に土地を購入・城建築)
そこでホーリーキャットを守りながら
余生を過ごすつもりだった。
砂漠の城に移ってからわかったことだが
実はそのホーリーキャットはさらに特別な能力を持っていた。
人型に変化するホーリーキャットだった。
愛妻との間に子供ができなかったロギンにとって
かわいい娘も同然だった。
ホーリーキャットが魚を食べたいと言ったら、
魔法でひとっ飛び海まで行って漁師がとってきた魚を全て奪うほどに。
(後ほど精算)
ホーリーキャットが遊びたいと言ったら、
自分の体を猫じゃらしに変化させその姿で全力で遊ぶほどに。
(ボロボロになった姿を、偵察に来ていた他の魔法使いの鳥に見られ
悪い実験に失敗していると勘違いされた)
ホーリーキャットが最高のクッションを欲しがると、
とある国の牧場にいる一番毛並みの良い羊1匹を奪った。
(後ほど金貨3枚をつけて羊を返却)
それに、ロギンは人相も悪かった。
顔は悪魔のように目つきが鋭く(近視)
歳をとったためにしわくちゃの顔。
魔法使いらしく思いっきり背中が曲がり
口元は常に薄気味悪く笑っていた。
(口角を上げて運気上昇を狙っていた)
あまりの人相の悪さに
ホーリーキャットの下僕であることを
他の魔法使いたちは見破ることができなかった。
ボロボロの姿で城の庭の中心に立つその姿を見て
邪悪な実験をしている闇の魔法使いと勘違いされ始めていた。
さらに運が悪いことに、
ホーリーキャットが
ある日、家出をし
(発情期)
淫魔族・インキュバスの恋人(美形)を
作ってしまった。
ホーリーキャットは面食いだった。
愛しい娘に恋人ができ、
気が狂いそうになってしまったロギン。
むしゃくしゃして、近くの街で酒を飲もうとしたら
くそ偉そうな態度で
人々に説教かましている変なおっさん(教皇)がいたので
うるせえ!と思い
一発殴ってやろうと襲ったら(ちゃんと殴った)
めちゃくちゃ暴れたこともあり
危険人物認定されてしまった。
ロギンはそんな事はつゆ知らず、
ホーリーキャットも年頃になって恋人ができた事は
普通のことなんだと気持ちを落ち着けた。
それからしばらくして
ホーリーキャットが妊娠していることがわかった。
これは安全なところで出産、育児をさせるためにロギンは
城全体に強固な結界を張り
ホーリーキャットと
その恋人のインキュバス
生まれてくる子猫たちを守ろうとした。
不幸にもそれは、
それは怪しい実験を重ねているからと
勘違いされてしまった。
悪いことは重なり
子猫たちが 生まれて成長していくようになると
ロギンと父親のインキュバスが
どんどん体が弱っていってしまった。
その原因が
子猫たちであると気がついた時には
遅かった。
闇の魔法使いロギンは
自身と父インキュバスを守るため
その能力と財力(魔法の各種特許料)を
遺憾なく発揮し
近隣住民の若い男性をさらって城に連れ帰った。
(銅貨3枚のバイト雇った)
ちゃんと手当てをし
生かして返していたにも関わらず、
「闇の魔法使いについて行くと
いいバイトがある」
という話がねじ曲がり
悪い噂となり
その話を聞いた神官たち
(顔が好みじゃないのでバイト落とされた)が
教会に報告し
討伐命令が下されてしまった。
状況はどんどん悪化の一途をたどっていた。
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