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神様じゃないよ

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

誰も救えない子の話。

人の言うことを否定しない。カミングアウトされたら、少しの時間は動転するも、結局は受け入れて、欲しい、もしくはそれ以上の言葉を掛けてくれる。

それでも本人に全くの自覚は無いようだった。自分以上の人材がいるはずだから、その人に相談した方が良いと声を掛ける。よく言えば人誑し、悪く言えばメンヘラホイホイな子だった。


今日も誰かから相談を受けた様で、僅かに暗い顔をして、ぼんやりと佇んでいた。私に気が付くと笑って手を振ってくれる。隣に座ると、様子を伺う様に顔を覗き込んだ。

「また、相談されたの?」

「秘密。そういうのは繊細な話題だから」

自分の心の修復に時間を掛けたいはずなのに、無理して笑う。気心が知れていようがなかろうが、自分以外の悩みを相手と共有しない。彼女らしい判断だった。

私は横に座る彼女に密着する様に、体を寄せると、核心に迫る一言を投げた。

「君は『救ってくれそう』な雰囲気があるから」

傷を負った、悩みを持った人間は常人よりも人を否定する言葉を嫌う。だから何を言っても否定せず、叱らず、ただ受け入れてくれる物の元に吸い寄せられる。そう、彼女の様に。

人に騙されていたとしても、其れが絆に亀裂を入れるものでければ受け入れる。どれだけ自分に圧が掛かる相談だとしても、相手の為なら飲み込める。

故に、信用や信頼、より上手く扱えば崇拝の域にまで食い込む様な人心掌握の一面があった。

「私は神様じゃないよ。だから誰も助けられない。助ける前に私が駄目になる」

「『助けられるか、られないか』の話をしているんじゃない。雰囲気の話だよ。

でも……その雰囲気で一体どれだけ要らない傷を負うんだろう」

今だってこうやって誰にも、恋人であっても相談せずに消化して、その淀みは一体何処へ消えるんだろう。限界を迎えた時には、既に取り返しがつかないところまで来てる気がする。

「……傷って程でもないんだけどさ、本当に大事な話を、其れこそ墓場まで持ってくぐらいの秘密とか、人生の岐路に関わる様な事を、どうして親や親友差し置いて、私に相談するのかな……。私の一言で君の人生ひっくり返るかも知れないのに。其れが分からないだけ。

……私は神様じゃないよ……」

その下心の無さに吸い寄せられるんだよ。

溺れる者は藁をも掴む なんて言いますが、其れでもかなり捕まる藁は選んでると思うんですよ。

助かりそうな藁を掴んでるってことですよ。


これ、私の経験談と言いますか、見てきた話なので、異論は沢山あると思います。では。


相談したい人って、解決策を提示してくれる人じゃないんですよ。

前にも話しましたが、

自分を否定せず受け入れてくれる人。

墓場まで持ってくつもりで嘘ついていて、其れを暴露しても怒らず笑って受け入れる人とか。


相談役が自分の全てを投げ打ってでも、自分の事を考えて答えを出してくれる人。

自分が先に助かって、相手はまだ地獄のどん底。其れでも自分に対して的確な助言が出せる人とか。

そういう人に寄って来るんです。


でも相談受ける人って、基本的にそこまで深く考えてないんですよ。

そんな重大なことじゃない。

それより唐揚げ冷める方が大事。

だから別に怒ったりとか、僻んだりとかしないから、不安がんなよ。

みたいなノリです。


彼女もそう言った一面は一割あると思います。

でもそうやって流してしまったら、真剣に聞いてない気がして嫌なんです。


そう言った、人に秘密を売らない、私より適任が居る。

そんな下心のなさが雰囲気として現れてるよね。

という話でした。

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