「ただいま……!」
ありがとう。待っててくれて。
長いか、はっきり言って分からない。
僕の旅路は曲がりくねった、時には平坦な上り坂だったり下り坂だったり……。
まあ、いろんな道だったと言えよう。
旅の途中には色んなことがあった。
君と一緒にそれらを経験していったね。
君と言ったら、笑ったり泣いたり怒ったり。
本当に喜怒哀楽の感情が豊かで、僕がついていくのに苦労もしたよ。
僕が謝ってばかりの時もあった。
君はその度に「大丈夫だよ」って囁いてくれたね。
ありがとう。
その一言にどれだけ励まされたか……。
僕に真剣に怒った時もあったね。
「貴方が自分を傷つけた分だけ、私も同じ傷作るから!」
……あの時程、僕は泣いた記憶はないよ。
本当に、あの胸の痛みは忘れない。
忘れないよ。
つらつらと、自分の事ばかり語ってごめん。
仲間の事も片時も忘れたことはいないよ。
仲間の便りには、目を通していた。
皆が元気に活動している様子には励まされた。
いっぱい楽しまさせてもらった。
本音を言うと、輪に加わりたくて堪らなかったよ。本当に。
でも、僕は決めてたから。
無理はしないと。
僕の旅を続けると、していたから。
だから。
だから。
ほんとを言うと……。
「まーだ、回想に浸ってんの?」
「あ、ああ」
「もう扉の前じゃん」
君が取っ手を捻ろうとするのを慌てて止めた。
不満げに君が僕を見上げる。
「だって、さ。僕は中途半端だよ。決めたこと守っていないし」
「だから?」
「だって、手紙の返事まだ全て書き終わってないし」
「で?」
「だって……」
此処まで来ておいて、僕は逡巡する。
そうだ。
僕はまだまだ心も体も弱い。
仲間にまだ元気になったと100%言えない。
こんな中途半端な僕を、果たして仲間は迎えてくれるだろうか……。
「大丈夫。どんな貴方だって、仲間は仲間でしょう?」
君は僕の両手を包んで言った。
そのぬくもりに全てを委ねたくなる。
そうだ。
ずっとずっと戻りたかった。
この場所の、君と同じぬくもりを持った仲間の所に。
ずっと言いたくて仕方なかった。
僕は扉を開ける。
「ただいま……!」
「「「おかえりーーー!」」」
無理をしたかもしれない。
時期尚早だったかもしれない。
でも、もう。
「ただいま」って言いたかった。
ありがとう。
仲間に、君に、本当に感謝です。




