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注がれる想い

作者: すみ いちろ

書きかけの詩


悲しい時間 彷徨う星


瞬く


頬伝う 熱い涙 流れる


誰に宛てたものではないけれど


いつまでも いつまでも


何かを 書こうとして やめる


あなた想う 愛しい星


どこまでも続く 宇宙


小さな輝き


私には もったいない


目に見えないもの


目を閉じる


そんな光景すら


どう映るのだろう


あなたの目に


私にみえる何も無い暗闇


不安な夜に浮かぶのは


あなたの姿


水面にゆれる 月の明かり


とでも言えば良いのか


頬にふれる あなたからの風


そう感じていたい


いつまでも


何気ないしぐさ


私は あなたを 知らない


どこにいて どんな風に 生きているのか


そっとふれる


ふれていたい ふれてみたい


髪をかきあげて 


本当に そうしてほしい


そっと撫でる


撫でてほしい


抱きしめてほしい


体を 風にあずける


風じゃない


リアルな あなた


預けたい


心のすべて


身体ごと






悲しい時 愛している


いつもそう想う


いつまでも いつまでも 


本当に そうなんだろうか


暗闇にさえ そばにいる


そうありたい


願い星に


流れる涙 そっとふく


あなたの すぐそば


風にはなれない 


私の(せい)


抱きしめていたい


あなたごと まるごとの本音


月でもない 星でもない


たよりのない私


どこまでも


という文字を打って


止める


髪をかきあげる


自分自身の 


なにかを書こうとして


ふっ切れない


例えようのない比喩


お酒の量が増えてゆく


コップの上


水面がゆれる


言葉がゆれる


いまだ見たことのない


夜のどこか


流れる星


音を立てて飛び込んだ


アルコールに溶けて 口にする


目をとじた


誰もいない


唇の先


こぼれる


短い 言葉


書こうとして


星になる


言葉に なってくれない


流れては 消える


あなた


ここにいるなら


どこへも行かないでほしい


そう言って


見えない あなた



月の 明かり


コップの水面に浮かんでいる


風の便り


聴こえもしないのに


いつか聴こえた


そう言った


あなたの息づかい


(くちびる)から こぼれた


あなたのもの


そっと浮かべる



















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― 新着の感想 ―
[良い点] 不思議な空気感が漂う詩ですね。 モヤっとはしていない、すみ渡ってもいない。 でも、意外と居心地はいい。 佇まいというか、有り様として、達観している。 そんな感じがしました。
2021/06/09 00:25 退会済み
管理
[一言] 「愛している」は、「愛して欲しい」。 「あなた」に向けて、初めて「言葉」になる。 自分自身に向けるだけなら、言葉にする必要がないから。 伝えたいから、言葉を探す。 アルコールに溶けるのは、過…
[良い点] 切なくて美しい詩ですね。 すみさんの詩は、個人的には切なげな詩が一番好きかもです。 エンカウントファンタスティック…のようなギタードラムの似合うよなカッコいい詩も好きですが、切ない詩は…
2021/06/08 22:17 退会済み
管理
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