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シレンティウムシリーズ

思考の森

作者: ティツィアーノ・ヴェ・ガドーレ
掲載日:2017/02/24

“思考の森”と呼ばれる森がありました。


その森は“人生”と呼ばれる物語と、よく似ているけれど違ったものでした。


“人生”には現在があり、過去があり未来があります。


“思考の森”にはありません。


あるのは感覚や感情、考えようとする意思です。



それと、


入口は常に開かれていました。


“思考の森”の入口は命を持つ者達、全ての心の中にあるからです。



 “思考の森”には、暖かい心を何処かに落とした虚無の怪物がいました。


怪物は落とした心を探して“思考の森”を彷徨い続けます。



在るところに生まれつき言葉が喋れない子供がいました。


子供の名前はティツィアーノといい、


街の変わり者“思考する”少年ティツィアーノと言えばみんなが知っていました。


ティツィアーノは“思考の森”によく行きます。


喋れないから静かでいいなんてことはありません。


ティツィアーノは考えて感じたことを書き留めます。


意識だけ森へ行こうものなら困ったもので、歩いている途中でいきなり止まったり。かと思えば寝ながらでも紙に何かを書き付けたり。


気味の悪い子供でした。


ティツィアーノは“思考の森”のことをよく知っています。


怪物のことも。


ティツィアーノは怪物に名前をつけます。


 ハイデリヒ


虚無の怪物の意味です。


名前をつけた瞬間、怪物は心の火を手にしました。


もう怪物は寒くありません。


怪物は心を貰ったのです。


怪物は自分の形を思い出しました。


虚無のハイデリヒに変わりました。


怪物は喜びました。


怪物は


怪物はティツィアーノに会ってお礼をしようと少年を探しました。


いつも森に来る少年は何処にもおらず、探しても見つかりませんでした。


少年ティツィアーノは“思考の森”に現れませんでした。





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