第二話 混沌の家(うち)で、分からぬ内に
新年初投稿です。あけおめです。
この車海老物語、友達が作っているゲームのノベライズですので、ゲームについて何か書いた方が良いですかね?
まあ、気が向いたら感想に書いてみてください。
それとこの間、車海老物語の製作者が言うところによると、ゲームでの設定と小説の設定が一部違うらしいです。オーマイゴット。
長々と失礼しました。それでは、どうぞ閲覧してください。
「えぇと、ごほん。貴様が勇者か!」
魔王は仕切り直すようで。
……こちらを睨まれても車海老には応える事が出来ない。どうやって話せば良いのだか分からないから。
「えっとぉ……ご、ごほん! 貴様が勇者か!」
だから仕切り直されても困惑するばかり。というか、勇者って誰のこと?
「ゅぅしゃょ」ボソボソ
「勇者、そうだって言ってあげて」ヒソヒソ
魔法使いと僧侶が小声で必死に語りかけるが、車海老にとって人の口が近付くというのは、恐怖を掻き立てられる事で。
当然、固まる。
「う、うぅ……ゆ、勇者か!」
「そうだ! ここに居るのが、勇者だ!」
流石に見かねた戦士が車海老の代わりに応える。
「では問おう! 勇者よ、我の仲間にならぬか……?」
……ん、もしかして、勇者って自分のこと?
ようやっとその事に気付いた車海老はうんうんと頷く。
そっかそっか。車海老=勇者なのか。
「え。………えっと、仲間に、なるの?」
「勇者!?」
「ゅぅしゃょ」ボソボソ
「いやさせねえよ!? 魔王、お前を倒す!」
なんか、車海老の意思とは関係無く戦闘が始まった。
「ふはははは! 弱い弱い! 行け、ベーススライーム!」
「く、こいつ、強い!」
魔王が呼び出したベーススライームを戦士の持つ剣が襲う。
『ベーススライームに3のダメージ!』
「戦士、下がって! はあぁぁぁ、『強攻撃』!」
ベグチャッ!
僧侶の拳がベーススライームに叩き込まれる。
『ベーススライームに6のダメージ!』
ベチャチャッ!
『ベーススライームの攻撃!』
『魔法使いに5のダメージ!』
ベーススライームの体当たりをくらいふらふらと揺れる魔法使い。
「ぉぅ。なかなかきくのぅ。そぅれ」
魔法使いの持つ杖から炎の玉が飛び出る!
『魔法使いのファイア!』
『ベーススライームに2のダメージ!』
「ふははは! 効かぬわぁ!」
魔王が剣を振るう。
『魔王の攻撃!』
『戦士に3のダメージ!』
「ぐっ、まだまだぁっ!」
魔王の一撃を受けきった戦士が雄叫びを上げ、魔王に斬りかかる。
『戦士の攻撃!』
『魔王に3のダメージ!』
激しい戦いが、家の中で行われている。
『勇者は、あまりの光景に動けない!』
むしろ『動かない』の方が合っている。
いや、ナンデコウナッテルノ?
勇者の為に言えば、勇者は今丸腰なのだ。戦い方を知らない勇者が素手で魔王に殴りかかっても、他の仲間の邪魔になるだけなのだった。
とはいえ
『ベーススライームの攻撃!』
『魔法使いに6のダメージ!』
『魔法使いは倒れた!』
「ぅぬぅ、すまなぃのぅ」
ただがむしゃらに攻撃を続ける三人に
『ベーススライームの攻撃!』
『僧侶に6のダメージ!』
『僧侶は倒れた!』
「きゃあっ!」
勝ち目がある訳がなく。
「く、くそぅっ!」
『戦士のヒール!』
『しかしSPが足りない!』
「な、くそぉっ!」
『ベーススライームの攻撃!』
『戦士に4のダメージ!』
『戦士は倒れた!』
気付けば立っているのは勇者だけだった(ただしベーススライームを除く)
………あれ、魔王は?
『ベーススライームの攻撃!』バババンッ!
『車海老 勇者に18のダメージ!』
『車海老 勇者は倒れた!』
『全滅してしまった!』
GAME OVER
こういう場合、家からリスタートする。
「ぉぉ、ゅぅしゃょ。たぉれてしまぅとはなさけなぃ」
魔法使いには言われたくないと思う車海老であった。
ブックマークしてくださいとは言いません。
評価してくれとも言いません。
どうか、批判してください。お願いします。(コピペ)