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掌編小説集4 (151話~200話)

素晴らしい商品

作者: 蹴沢缶九郎

青年の住む部屋にやってきたセールスマンの男が言った。


「今日は一人暮らしのあなた様にぴったりの商品を紹介したく参上しました」


「何の商品を売りつけようとしているのか知りませんが間に合ってますよ」


「まあそう邪険になさらず、どうか話だけでも聞いてください。購入するしないはその後でも結構ですので…」


そう言うと、男は鞄の中から一冊のパンフレットを取り出し青年に見せた。


「これは我が社が扱う最新型お手伝いロボットの紹介パンフレットです」


「お手伝いロボットだって!?」


予想外の商品を紹介された青年は、興味を持った態度で身を乗りだしていた。


「左様でございます。何かと一人暮らしは不便に感じる事が多いと思います。疲れて帰宅してもやらなければいけない炊事に洗濯、お掃除…。そんな煩わしさから開放してくれるのが我が社のお手伝いロボットというわけです。どんな家事も命令一つでたちまち片付けてくれます。買い物だって行きますよ。その間、あなた様は有意義にご自分の時間を使えるのです」


男の熱のこもった弁に青年は引き込まれた。事実、一人暮らしの青年は家事の一切を煩わしく感じていた。パンフレットに記載されているロボットの値段は、決して安い値段とは言えなかったが、買えない値段でもなかった。


しばらく悩んだ末、


「よし、この際だ、買う事にしよう」


と、青年型ロボットはお手伝いロボットの購入を決め、セールスマン型ロボットは「ありがとうございます」とお礼を言った。

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― 新着の感想 ―
[一言] 面白かったです! 人が人を雇う感覚と同じなのかな、と。 でも、この世界では「商品」なんですね。なんだか切ない(^^;) 蹴沢さんの発想に、日々驚かされながらも楽しませていただいてます。ありが…
2016/05/08 10:47 退会済み
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