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若死にせし者
土手は相変わらず広かった。
草野球してる人たち、フットサル、ただ芝生の上に寝そべってる人も、犬の散歩してる人たちもいた。
僕たちは川に向かって斜面に座った。
「小雪は心筋梗塞だったんだ。」
「いくつだった?」
「二二。」
若いなぁ。留学してた時期か?就職決まった後。だからって、誰も知らせてくれなかったのか?
「お前んとこのおばちゃんもそうだったろ?」
「!」
確かに、母さんも心筋梗塞で亡くなったけど。
「誰かがそんなこと言ってな。須藤にはなんて言えばいーんだなんて。まだ二二だったんだよ、俺ら。そんな伝え方も分かってなかった。」