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注文は颯爽と

冴子は迷うことなくコートを置いていた席に着いた。飲みかけの赤ワインを一口飲むと、上目遣いで僕をチラリと見た。

僕は気づかないふりをしてそそくさとコートを脱ぎ、席に着いた。ウェイターから手渡されたメニューを開きながらテーブルに目を向け、

「注文、待っててくれたの?」

と聞くが、こんなときの冴子は決まってツンとすました様子で返事はしてくれない。

「ごめんね。」

そして間髪入れずにウェイターに向かって、冴子の好物のピザマルゲリータ、それからベーコンとトマトのジェノベーゼパスタ、さらに「彼女のと同じ」赤ワインを頼んだ。

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