始まりはお節

彼女への連絡

「飯、行こうか？」

考えた挙句に送ったメッセージはこれだけ。冴子からは嬉しそうなスタンプがすぐに戻ってきた。

レストランを選ぶなんて何年ぶりだろう。健吾くんと会った丸の内には良さそうなレストランが随分並んでいたから、夜羽子さんのお店からは少し離れた場所の店を選んだ。

冴子との待ち合わせは19:30。遅刻は厳禁。

こんなときに限ってなにかが起きるのはいつものことで、取引先から大規模案件の見積依頼が定時近くに舞い込んだ。