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厨房にて
で、蒲鉾だけってゆうのは買い難くって、蒲鉾を入れた料理も大して思い浮かばなかったんだけど、なんとなくいろいろ買ってしまった。
まあ、ホウレン草や人参と一緒に炒めても食べれそうだし。
親父はどこかへ行ったんだろう、帰って来た家はガランとしていた。
台所に立ってみると、こんなに流し台が低かったのかと、驚くというほどではないが意外な印象を感じる。まな板、包丁、なんとなく場所は分かってて、難なく見つけられる。母さんの匂いがするんだよな、微かだけど。
だからこそここに立つのを避けて来たんだよな。なんとなく、心の中でさえ言い訳してる。