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想い出のアルバム
「どんなんだったけかなー、母さんのお節。」
それがあんまりにも思い出せなくって、三賀日はこのことばっかり考えているうちに過ぎていった。出かける用事もなく、見たいテレビもなく、親父はなんとなくそこにいたけれど、ただそれだけだった。
伊達巻が好きで、和美と奪い合いながら食べたらしいことはなんとか思い出した。
押し入れの奥からアルバムを引っ張りだしてみると、子供の頃の写真がたくさん出てきた。まあ、長男だし。「初めての○○」が盛りだくさんにあって、○○式やら誕生日やら、正装だったり、うんざりとまではいかないがこんなにたくさん写真があったかと改めて目を見張るほどの行事が並べられていた。
お正月の写真もそれなりにはあったけど、鏡餅を割ってる写真こそあったけれど、お節料理がバッチリ映ってるような写真は見当たらなかった。