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取り分けても
なんとまあ、このお義母さんは色とりどりきれいな品を小皿に並べ替えてくれたもんだ。エビを真ん中にして、伊達巻き、昆布巻き、酢蛸に煮豚、タケノコと、しいたけ、れんこん、こんにゃく、そしてピンクと白のかまぼこが一枚ずつ所狭しと並べられた。
「はい、どうぞ。」
「うん。」
口の中で餅を噛みながらくぐもった声でお義父さんは間を置かずに返事をした。
あ…、僕…、出そうとした手を引っ込めながら、返事しなくてよかったと安堵した。そりゃあ最初はお義父さんだよね。
冴子の上目遣いは僕の勘違いに気づいたことを示していたが、素知らぬ振りをしていた。