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昼食は三人で
片岡を昼に誘おうとしていたところ、篠田さんから声がかかり、三人で昼飯に行くことになった。なんともチグハグな感じだ。
片岡はなんとか布田さんにお詫びを受け入れてもらえたみたいで、三湖商事さんはなんとか繋ぎ止められたみたいだ。篠田さんは執拗に守秘義務を重んじて、「M社さん」とか「Nさん」、「I課長」と呼称するのがむず痒かった。そしてさらに執拗に僕を良い先輩だと強調されたのがなんだか不自然で、少しも褒められているようには思えず、嬉しくもなかった。そして、
「今回みたいに良い形でこれからもサポートしてもらえると良いですね。」
だって。
片岡の育成に力を入れろってことか。
片岡は言葉では僕に感謝していた。
蕎麦は喉を通ったけれど、ちっともおいしくなかった。