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やっと退社
片岡とのやり取りは本当に楽しくなかった。尋問めいているというか、ここはどうしてこうなんだとか、結局どうしたいのかとか、本当にこれで結果が得られると思っているのかとか、ときに涙が溢れ出しそうになってる相手に対して遠慮する訳にもいかず、三時間はあっという間に過ぎていった。
急ぎの対応が必要とはいえ一晩よく考えるようにと伝え、早朝に打ち合わせをすることにした。
篠田さんはずっと待っていてくれたらしい。しかも、待っていたのではなくまだ仕事があると言って、僕ら二人を先に帰らした。僕らはむしろとぼとぼと、共に駅へ向かった。