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ひさびさ奈都さん
久しぶりに奈都さんの店に来たけど、なんだか忙しそうで…手伝ってあげたいくらい。
入り口を開けたらいつもの笑顔でカウンター席を案内してくれたけど、話しかけるのが躊躇されるくらいで、一組が帰ったと思ったら二組やって来て、そのうち一組は別の店に行くことを決めて去っていったり、そんなことが立て続けに起きていた。
奈都さんは僕と目が合うと「申し訳なさそう」をぎりぎり感じさせない程度の笑顔を見せてくれた。僕は突き出しの小松菜と油揚げの和物を味わい、芋焼酎のお湯割りで温まってから、大根サラダ、生麩の田楽に豚の角煮で腹を満たし、獺祭で喉を潤していた。