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永遠の時刻
お義父さんはそろりそろりと味わうように一の杯のお屠蘇を飲み干した。
続いて、二の杯も、三の杯も、それぞれに屠蘇が注がれ、その透明の液体の中で揺れているであろう金糸のごとく繊細に描かれた大胆な枝振りの立派な松の樹を、まるで目に入れても痛みを感じないほど可愛らしい孫でも見るかのように、細めた目で十分に愛でてから、ゆっくりと十分に時間をかけて喉へと流し込んだ。
僕は「永遠」と呼ぶのに等しい時間の長さを感じていた。コタツの中の微々たる足の動きを上半身に表さないよう、最大限の努力を払っていた。