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デザートを終えると
篠田さんはキチキチしていた。食器がちょっとズレたりするのが気になるらしく、細々とグラスの位置や紙ナプキン、取り皿の位置をずらしたり、グラスの縁に薄く付いた口紅を指で拭いたりしていた。落ち着かないってほどじゃなかったけど。きっと、スプーン小匙一杯とか、すりきりでピッタリに計るタイプ。冴子もそんなことしないだろうな。
篠田さんに一言謝って、受け取ったメッセを見る振りをして冴子にメッセを送った。
プチドルチェがやって来た。篠田さんのはモンテビアンコとミルクティー、僕のはボネとコーヒー。おいしくはないんだけど、決してマズイってほどじゃない。だから無難にまた来てしまうんだろう。
食べ終える頃、ちょうど冴子から返事が来た。そっけない返事だけれど、今夜は会ってくれることになった。