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トマトソースのパスタとペンネ
篠田さんは物静かでコツコツと事務をこなすタイプ。係長だけどね。ナスとモッツァレラのパスタも器用にフォークに巻いて、ソースを飛ばしたり、口の端につけたりすることがなかった。冴子はたまにそんなことがあったなあ。
ペンネのアラビアータはトマトの酸味がちょっと目立つくらい、にんにくの香りが食欲をそそり、オリーブオイルも適量に使われていて、バジルや鷹の爪が彩りも美しく、優秀な一品になっていた。
「須藤さん、ご家族と出かけしたりします?」
「いえ。」