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篠田さんとイタリアン
ここのイタリアンに来るのはなんとなく久しぶり。サラダもプチドルチェもドリンクも付いて1280円なら安いもんだ。篠田さんは決してお喋りなタイプじゃないけど、注文を終えると早々に喋り始めた。
「風邪、もういいんですか?」
そっか。休みの連絡電話取ってくれたのは篠田さんだったっけ。
「ご家族、仲いいんですね。」
「朝起きたら突然声が出なくて。呆れてました、親父。」
「うちの姉はそれでも会社に電話してはくれません。」
なんだか含みのある言い方だった。このタイミングでサラダがテーブルに置かれたので、話が途切れて丁度よかった。