Sec.?-?「Prologue」
はじめまして。あさぎいろると申します。
マイパソをゲットした期に、長年の夢であった小説の執筆をはじめました。
初執筆、初投稿故拙い文章でありますが、空き時間の暇つぶしにでもお読みいただければ幸いです。
ご意見、ご感想などよろしくお願いいたします。
キミ、知ってる?
港名坂学園高校の七不思議の噂。
最後の七つ目がちょっと変わったものらしいよ。
ほら屋上にさ、ちょっとした倉庫みたいな建物があるでしょう?
でもそこのドア、絶対に開かないんだって。
あ、絶対じゃないか、なんでも特定の時にしか開かないらしいよ。
・・・でも、過去にそのドアを開けて倉庫に行った人に、帰ってきた人はいないって。
だからこの七不思議はこう言われている。
「神隠しの屋上倉庫」って。
ん、ドアがいつ開くのかって?
それ本気?死にに行きたいの?
違う?ただの興味?まあ仕方ないか。気になるのももっともだしね。
教えたいところだけど、残念ながらこっちもいつ開くのかはわからないなぁ。
所詮は噂だもの。どこまで本当なのかもわからない。
それでも気になるなら、調べて確かめてみたら?
本当になんかあるかもしれないじゃん?
もしなんか収穫あったら教えてよ。
・・・生きていたら、ね?
「・・・ん」
なんかまぶしい・・・。
「夏希ー起きろー」
「んあ、って、あいてててて起きた起きt」
両方のほっぺたが痛くて目が覚めた。
「アッハハハ、やばいオモシロイ!」
ハル兄―榊原春希があたし―榊原夏希のほっぺたをつねって、
自分で爆笑中。
「ちょっと何するのってあだだだd」
「いやー、父さんに起こしてこいって言われたから起こしただけだし?」
「ひゃるひいひ△※@」
「何言ってるんだよっあッはハハ・・」
ハル兄がつねってるからでしょうが。しかもツボってるし。
「春希ぃー、夏希ぃー、時間ないぞー」
下の階から父さんの声。
そうだ、今日から学校じゃん!もう高校2年生かー。ハル兄は大学の2年生だし。
「あー、行く行く!じゃ、俺先行ってるから~」
ひとしきり爆笑してハル兄はあたしの部屋から退散。
・・・あ、逃げられた。
いや、それより急いで準備しないと。始業式から遅刻しましたーとかシャレにならない!
とりあえずハル兄にはあとで10倍返し確定、と心に決めて制服をクローゼットから引っ張りだした。
「夏希、あんまりのんびりできないぞ」
あらかた支度を整え、階段を駆け下りると、すでにテーブルの自分の定位置に2枚のトースター。
父さん―榊原照希がマーガリンを塗ってくれていた。
いただきます、とまず一口。うん、焼き加減最高。
リビングの隅に鎮座するテレビでは、気象予報士さんが天気予報を伝えている。
今日も一日快晴だ、よかったー。
おいしいこともあり、手早く食べ終わると、座ってたいすの下においといた鞄を抱えて玄関へダッシュ。
ハンカチティッシュ持った、財布持った、家の鍵持った、ファイル持った、上履きと体育館シューズ・・・大丈夫。
えーと、チャリの鍵チャリの鍵・・・あ、あったあった。
「行ってきまーす」
「「行ってらっしゃーい」」
家を出るのはあたしが一番早い。父さんとハル兄の声を背に、ガレージへ一直線。
まずい、ぎりぎりかも!
鞄をチャリのかごへ放りこみ、鍵を外す。ああもう、つねられたほっぺたがまだ痛いや。
ハル兄にどんな仕返ししようか、そういや新しいクラスどうなるかな、などなど頭のなかでいろいろと考えながらペダルをこぎ始めた。