ベストパートナー
遥か未来。
宇宙船に乗った我々の子孫が別の惑星に辿り着いた。
「文明レベルは西暦2000年代の前半か」
つまり、丁度我々の生きている時代に近い文明レベルを持っているようだ。
とはいえ、我々の子孫からすれば随分と古びた文明だがもしかしたら地球では枯渇した資源を奪うことが出来るかもしれない。
「しかし、驚いた。争いらしい争いがまったく起きていないじゃないか」
「あぁ。人類が居ると言うのに。一体何故……?」
「我らの故郷じゃ誰もが忘れるくらい昔から戦争をしているってのに」
そう言って彼らは変装をしてその惑星に潜り込んだ。
要するに視察をしようとしたのだ。
そして――。
「直ちにここを去ろう」
すぐに皆が青い顔をして戻ってきた。
「なんて恐ろしい場所だ」
「あぁ。一見すると平和なのが気味が悪い」
口々にそう言いながら彼らは小さくなっていく惑星を見つめ、そして故郷である地球の者へ次のように連絡をした。
『――の場所にある惑星には決して近づくな。我らとは相容れぬ存在であるが故に』
*
連絡を終えた彼らは未だ青い顔のままに見てきたことを確認するように呟いていく。
「にしても、あんな光景があったなんて――」
「あぁ。あれじゃ、SFの世界だ」
「まさか、本当に機械に完全管理された人類がいるなんて……」
そう。
彼らが見てきた惑星の人類は自ら考えることを放棄して、完全に機械に従い生きていたのだ。
「覚えているか? 奴らの言葉を」
「あぁ。ベストパートナーだって? 冗談じゃない」
「支配されていることにまったく気づかないなんて――」
支配を何よりも恐れる我々の子孫は身を震わせるばかりだ。
彼らにとって何よりも大切なのは自らの意思で生きること……現代の我々と同じで。
しかし、それが故に遥か未来であっても戦争は続いている。
そもそもが彼らが宇宙船に乗って宇宙を漂うのもまた他国を出し抜くための資源探しのためだ。
きっと、人類が存在する限り戦争というのはなくなりはしないだろう。
「俺たちの先祖……もしくは俺たちのIFか?」
「やめてくれ。考えたくもない」
「あぁ。なんて哀れな奴らだ」
彼らは口々にそう言った。
まるで『裏切り者』を探すように。
あるいは『自分が裏切り者ではない』と主張するように。
――あの究極の支配による平和に焦がれてしまったという事実を隠すように。




