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ラグ・コード:この世界は、最初から間違っている。〜世界を壊した大罪人の息子、不遇能力で汚名も理も覆す〜  作者: Kaいト
切り捨てし飢餓、その果てに秩序は成る

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情報の墓標、それは誘い込まれた罠か...否か...

事務所には 烈が一人残っていた


「店番なんて柄じゃねえが……ここは俺たちの『帰る場所』だからな。留守は任せな」


そう言って 彼は愛用のパイルバンカーの整備を始めた



表向きの看板を守ることは 治安維持局の目を引きつけ 漣たちの背後を自由にすることに他ならない


烈は持ち前の直感で 自分が「囮」であり「盾」であることを理解し 微かな異変も見逃さぬよう神経を研ぎ澄ませていた




その頃 漣と凛は都市の最下層......

廃棄場の泥濘にいた



高負荷区よりもさらに酸素は薄く 肺を灼くのは錆びた鉄と焦げた電子回路の混ざった悪臭



「……ここからは 政府の『地図』には載っていないルートだよ」


凛の先導で 網膜を焼くようなノイズの奔流を潜り抜ける


そこは 物理的なゴミの山である以上に 情報の地獄絵図だった



かつて政府に「不要」と断じられたAIの末路が 亡霊のように情報の海を彷徨っている


「お腹が空いた」「誰か助けて」


かつての持ち主が遺した断片的な感情ログだけをリピートし続ける 意志の抜け殻。消去デバッグしきれなかったデータの残骸が 物理的な質量を伴うノイズとなって 執拗に二人の肌を撫でた



そんな「死にきれない意識」が蠢く深淵で 漣の懐にある「赤」のデバイスが 激しく拍動を始める



一歩進むごとに 熱量は増し 震えは鋭さを増していく


それは巨大なサーバーラックが山積みになった『データの墓標』のさらに奥、これまでとは次元の違う共鳴反応を叩き出していた



「……近いな」



漣はエイジャスのモニターに映る 狂ったように跳ねる波形を見つめた


懐の『赤』と呼応するように ガラクタの山から同じ周波数の光が漏れ出している




積み上げられたガラクタの山


その中から 懐にあるものと全く同じ、鈍く、しかし確かな輝きを放つ『赤』の端末を見つけ出した時




「――そこまでだ。解析屋」




背後の暗闇から 無機質な軍靴の音が響く


第一特殊鎮圧大隊 第三小隊。

現れた小隊長は 逃げ場のない漣を冷ややかに見据え 誇らしげに口角を上げた



「……流石ですね、雨宮隊長。……貴方の立てた予測。見事に的中しましたよ」



その言葉が 漣の鼓動を鋭く刺した


漣が『赤』に指をかけた瞬間 周囲の廃棄モニターが一斉に再起動し 無機質な「秩序」の色彩で固定される



直後 漣の腕の中でエイジャスが激しい火花を散らした


「な……!?」


物理的なショート


雨宮の「論理爆弾」は ソフトウェアの壁を突き破り 回路そのものを過負荷で焼き切る「物理破砕」の領域に達していた



焦げた異臭と 腕を焼く熱

思考を完璧な正解へと塗り替えようとする圧倒的な情報の奔流に 漣の視界が白く染まる



「…………『追記:遅延実行ラグ・コマンド』……」



意識が混濁する中 漣の唇が微かに動いた

それは 汚染されたシステムが沈黙する直前に放たれた 解析屋の執念


「こちら第三。……目標を視認。雨宮隊長の『論理爆弾』の着弾を確認。これより 特異ログの回収に移る」


兵士が首元の通信機に指をかけた

だが その声が本部に届くことはない



「……凛、少し離れていろ。……追記アペンドは、絶対に使うなよ」



膝をつきながらも 漣は顔を上げた。


エイジャスからは煙が上がっている。



だが その死に体の端末から放たれた「遅延」の呪いが 第三小隊の通信回線を停滞へと叩き落としていた



「……通信不能!? 」


少し焦った様子を見せたが、やはりプロ

一瞬でその原因を見抜く



「なるほど 回線を遅延させている……」



狼狽する兵士たちを背に 漣は焼き切れた回路を『源生』で強引に繋ぎ直し 制御下に置く


視界を掠める雨宮のロジック

それを一つずつデバッグし、書き換えていく



(エイジャスは...無理だな。頼りなのは『源生』だけか)



「……上等。雨宮、あんたの計算は……俺がここで、再定義させてもらう」

最後までお読みいただき 本当にありがとうございます!

姿を見せずとも、兵士の言葉一つでその支配力の巨大さを知らしめる雨宮

物理的にエイジャスを焼き切る「論理爆弾」という、容赦のない正解の押し付け


しかし、漣が呟いた『遅延実行ラグ・コマンド』が、静かに、けれど確実に盤面を停滞させました。

通信を封じられた第三小隊の前で、煙を上げる端末を手に立ち上がる漣

少年の遺した「赤」と、解析屋としての誇り。その両方を守り抜くための、反撃の秒読みが始まります。


「雨宮隊長、端末壊しに来るの怖すぎる……!」

「絶体絶命でボソッとスキル名呟く漣、これぞ主人公の格!」

……と 少しでも心が動かされた方は

ぜひ【★★★★★】での評価による応援と ブックマークをよろしくお願いいたします!

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