表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ラグ・コード:この世界は、最初から間違っている。 〜世界を壊した大罪人の息子は、不遇能力で汚名を覆す〜  作者: Kaいト
切り捨てし飢餓、その果てに秩序は成る

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

16/31

少女の涙

ふぅ寝てました....昼夜逆転生活してました....


明日、朝昼晩と3回投稿するので許してください!!!

漆黒の空から、溶けない赤い雪がしんしんと降り頻る


そこは音も体温も、明日への希望さえも遮断された絶対的な孤独の檻だった



「……だれ? わたし、おなかがすいてるの……。ふれたら、消えちゃうよ?」



膝を抱えた少女が、怯えた瞳でれんを見上げる


彼女の身体を幾重にも縛り付けているのは、見たこともないほど複雑に編み込まれた黒い数式の鎖



政府の『絶対命令スタティック



解析眼を凝らしても、その深淵は容易には見通せない


ただ、その鎖からは「時間が死んでいる」ような、形容しがたい違和感が漂っていた



それは単なる拘束具などではない


彼女という存在そのものを、ある一点の「座標」に無理やり縫い付け、そこから先へ進むことを世界が拒んでいるような...


ことわりを捻じ曲げた、おぞましい呪縛の気配だった




「君は……」



漣は一歩、踏み出す


彼女の周囲に渦巻く「赤」の正体



それは他者を拒絶する炎ではなく、出口のない絶望が吐き出す、癒えることのない飢餓の残滓のように見えた




(.......なんだ、この赤は。何かが決定的に欠落している。凍結された心が、死なないために周囲の熱を本能的に求めている....そんな感じが......)





「あやせ......りん」



漣の口から、無意識にその名が漏れた


情報の澱みに、ノイズに紛れて刻まれていた真実の名前



「……りん? そのなまえ、ずっとよばれてない……」



その瞬間だった

心を凍結させられ、空洞の兵器として扱われてきたはずの少女の瞳から一粒の透明な雫が零れ落ちた





  少女の涙




その結晶が赤い雪の上に落ち、微かな音を立てて砕ける


それを見た瞬間、漣の脳内に保存されていた「効率」や「論理」という名のデータが、激しい熱を帯びてスパークした




(……ああ、そうか。僕は、知っている。この味を、知っているんだ)




脳裏を過るのは、烈と過ごした無茶苦茶な日々の断片だ



美味いジャンクフードの味、排気ガスの匂い


計算外のトラブルに巻き込まれ、舌打ちしながらも心のどこかで「悪くない」と感じていた、あの人間臭い時間



烈という「熱」に触れ続けてきた今の漣にとって、目の前の少女が流した涙は、解析すべきデータなどではなかった




それは、どれほどシステムに押し殺されても消えなかった、彼女の「生きたい」という叫びそのものだった




「逃げて、おにいちゃん……! わたしに触れたら、おにいちゃんも消えちゃう……!」




凛を縛る鎖が、侵入者である漣を排除しようと赤く発火し、猛蛇のごとく襲いかかる





(……今までの僕なら、ここで手を引いていた。深入りは無意味だ、と自分に言い聞かせて)




だが、今の漣は違う



烈が、一度だって僕を「リソース」として見なかったように




「……計算ロジックじゃない。これは、僕の我儘わがままだ」



漣は逃げなかった


襲い来る数式の鎖を、自らの青い『源生』を纏った手で静かに受け止める



凍てついた鎖が、漣の体温に触れて悲鳴を上げる




「僕は、君を『死神』としては解析しない。……君が何者なのか、今はまだわからなくても」



漣の青い光が、凛の赤い孤独を包み込むように広がっていく


少女の涙が止まるまで、この冷たい世界を温め続けると、彼は決めたのだ




「あたたかい……? おにいちゃん、だれ……?」



「解析屋だ。……君の未来を、勝手に計算しに来た『お節介な男』だよ」



奪うことでしか生きられなかった少女が、初めて「与えられる」ことを知った瞬間



漣の胸の中にあった冷徹な壁が、音を立てて崩れ去った




(助けたい。……この子が、自分の足で『明日』を歩けるようになるまで)



その覚悟に呼応するように、漣の『源生』がさらに輝きを増した




その時...!


精神世界の空が、巨大なガラスが割れるような音を立てて亀裂を生んだ



「――外部干渉を確認。指定資産の『再フォーマット』を開始する」



現実と精神世界の境界を、冷徹な「第三者の声」が引き裂く

二人の間に、救済を拒む絶望的な白光が差し込んだ

最後までお読みいただきありがとうございます!


少女の瞳から零れた「涙」

それが、冷徹な解析屋だった漣の心に火を灯しました


烈との日々が一人の少年を「英雄」へと変えた第十六話、いかがでしたでしょうか


【次回の更新告知】

明日、朝8:00頃に

第十七話「感情という名のバグ」

を更新します。



「漣の成長に泣いた!」「烈の影響がこんな形で見られるなんて!」

と思っていただけたら、

ぜひ 【☆☆☆☆☆】 で応援をお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ