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ラグ・コード:〜因果(バグ)を正し、汚名(フェイク)を暴き出す。物理法則が崩壊した世界で少年は全てを上書きする〜  作者: Kaいト
切り捨てし飢餓、その果てに秩序は成る

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有名人兼ターゲットになった俺、時速200キロで死神と追いかけっこする羽目になる

深夜の首都高。

背後から迫る二十機のドローン群を振り切った二人の前に、それは「立って」いた。

深夜の首都高

時速200キロで流れる光の帯を切り裂き ファルコンが吠える


だが その背後から迫るのは 先程までの賞金稼ぎとは一線を画す集団だった



「……烈、後ろだ。ドローンとバイクが二十機以上。逃がす気は微塵もないらしい」


「へっ、随分と豪華なパレードじゃねぇか!」



後方から迫るのは搭乗者のいない漆黒のバイク群


機械的な精密さで隊列を組み ファルコンを囲い込むように展開する



ドローンたちは一斉に、カウルに内蔵された小型ガトリングの銃口を向けた




「ファンサービスは無しだ! 漣、衝撃波の指向性を絞れ!」



「......解析完了! 撃ち抜け、烈!」




烈は左腕のパイルを真後ろに突き出す


パイルの先端が赤く熱し 臨界点に達した瞬間










ドォォォォォンッ!!








圧縮された空気が槍のように伸び 追走するドローンの一群を縦に貫いた


爆散する火柱が夜空を焦がし、制御を失った無人機たちが火の玉となって後続を巻き込む






だが その炎を突き破り「赤い閃光」が音もなく躍り出た




「……ッ!? また来たぞ!」




前方の闇。

街灯の光を吸い込むような漆黒の軍服と 謎の赤いノイズを纏った美少女がそこに「立って」いた


烈は回避を試みるが 少女は回避方向を先読みするように宙を舞い 烈の視界から一瞬で消失する




「……どこだ!?」



「烈、左! いや、もう後ろにいる!」




「……ッ!? マジか!!?」



烈がバックミラーを確認する


敵の姿はない



回避は成功した





そう確信した次の瞬間だった








本来なら遥か前方に突き抜けているはずの少女がコンマ数秒のラグもなく 烈の背後 手の届く距離に「最初からそこにいた」かのように出現していたのだ


それも毎回 打撃を放つ体制で...




烈がどれほどスロットルを全開に叩き込んでも 彼女は加速の予備動作すら見せない


時速200キロで走るファルコンの懐 その「デッドゾーン」に吸い付くように固定され そこから予備動作なしの打撃を繰り出してくる



「くそっ、どれだけ距離を取ろうとしても無駄かよ!」



彼女の手が烈の喉元を刈り取らんと音もなく伸びる



まさに....回避不能




「烈、あいつを直視するな! 脳に『遅延』を書き込むよッ!」



後ろで叫ぶ漣の指が コンソールを血が滲むほどの勢いで叩く




追記アペンド:『遅延実行ラグ・コマンド』!!」



彼女の「正解」として固定された攻撃が 着弾のコンマ数ミリ秒前で強引に引き延ばされる


世界が歪み 彼女の動きにわずかな「残像」が生じた



その刹那!!






「……うおおおおおおおおおおおおりゃッ!!」





烈は全身の筋肉が断裂するかのような 限界を超えた反射『追記アペンド火事場力リミットラッシュ』を無理やり発動させた



ハンドルを物理的な限界を超えてえぐり ファルコンの車体を火花が出るほど路面に擦りつける




「ガガガガッ!!」




カウルを削りながらの 神業的な回避


少女の指先が烈のヘルメットを掠め シールドに深い傷を刻んだ




紙一重。あと数ミリ漣の遅延が遅れていれば 烈の首は今頃ハイウェイに転がっていただろう



「……はぁ、はぁ……。漣、助かった……!」


「烈、落ち着いて聞いて。あいつ、理屈は知らないが移動なんてしてないんだ」



後ろで必死にコンソールを叩く漣の声が いつになく震えていた


「はぁ?お前、確かにあいつは目で追えないぐらい早いけどよぉ....」




烈が言葉を発したその時、


彼女の口から ボソリと掠れた声が漏れ出た




追記アペンド慣性維持アクセル極点跳躍コード




彼女の周囲に散る赤い火花が 爆発的な熱量を持って膨れ上がった


そして...






絶対命令スタティック:『事象整合ステイタス不変固定アンカー』」




その単語を聞いた瞬間、漣の指がキーボードの上で凍りついた



絶対命令スタティック......!?まさか...あの子は!?」


「あぁ!? なんだってんだよ、そのスタなんちゃらってのが!」




烈は必死にハンドルを抑え込みながら叫ぶ



しかし 漣はそれに応える余裕すらなかった



絶対命令スタティック

政府直属の治安維持局のエリートだけに許された世界の理を歪める特権、言わば追記アペンドの拡張


『あの時』解析屋:九条漣を殺しにきた、雨宮あめみやという男が事も無げに語ったあの絶望的な力の片鱗




「……烈、まずいよ。あいつは賞金稼ぎなんかじゃない。これは……政府の差し金だ。僕たちを『バグ』として完全に消去するために 本物の死神を送り込んできたんだ!」



烈の背筋に冷たいものが走る


ただの喧嘩じゃ済まない

国家そのものが 自分たちを殺しに来たのだ



「へっ、そいつは光栄だな。神様ごっこしてる政府様が、わざわざ俺たちのためにこんな可愛い死神を寄越してくるとはよ……!!」



烈はハンドルを握り直し 不敵に笑った


「いいぜ。物理法則が相手の味方なら 俺たちはその『ラグ』を突くだけだ。いくぞ漣! 俺たちの最高傑作ファルコンが 神様の書いた数式に負けるわけねぇだろ!」


「……了解! 演算全開、いくよ!!」


夜の首都高ハイウェイ

二人の反逆が赤い絶望を切り裂く

『それも毎回、打撃を放つ体制で...』

これ、戦闘シーンをイメージしやすいように補足します



まぁ、例えるなら「格闘ゲームのコマ送り」です


1. 通常: 「足を引く(予備動作)」→「蹴りだす(移動)」→「当たる(結果)」というプロセスが見えます


2. 彼女の攻撃: 「足を振り切ろうとする、一番威力の高いポーズ」の静止画がいきなり烈の目の前にパッと現れる感覚です


しかも、烈は時速200キロで走っているのに彼女はまるで「最初から横に立っていた」かのように、蹴りを振り切ろうとするポーズで現れ、その慣性も利用して攻撃してきます


【次回の更新告知】

明日、朝8:00頃に

第十五話「紅の執行者」

を更新します


「こんなのどうやって勝つの!?」

「絶望状況で笑う烈がマジで主人公してる」

と思ってくださったら、

ぜひ下の【☆☆☆☆☆】やブックマークで応援お願いします!

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