第12話:死の記憶決着・影王との結末
廃墟の中心、光と影が激しくぶつかる空間。
葵の胸の光は最高潮に達し、死の記憶が完全に融合した。
痛み、孤独、恐怖、後悔――すべてが力に変わり、全身を駆け巡る。
影王の黄金の瞳が揺れ、翼が大きく振るわれる。
黒い影の渦が廃墟を覆う。
──アオイ……お前の覚悟……全てを背負ったか……
葵は拳を握りしめ、胸の光を前方に放つ。
「……絶対に逃げない!
死んだ私も、生きている私も、守りたい人も、全て受け止める!」
光が黒い影を押し返し、〈声喰い〉の群れが吹き飛ぶ。
影王の翼が廃墟を叩きつけるが、葵の光は決して揺るがない。
──なるほど……全てを受け入れた力……
だが、最後の力を見せてやろう……
影王が全身を漆黒の闇に包み、黄金の瞳がさらに光を増す。
廃墟全体が揺れ、瓦礫が舞い上がる。
葵は深く息を吸い、胸の痛みを光に変え、全身で影王に立ち向かう。
──これが私の全て!
死の記憶も、影王も、絶対に逃さない!
光と影が衝突し、廃墟が轟音と共に崩れる。
影王の翼が振るわれるたび、衝撃波が広がるが、葵は揺るがず前に進む。
黄金の瞳がゆっくりと閉じる。
──お前の力……死の記憶の融合……
これ以上、私を止められる者はいないか……
葵は拳を胸に押し当て、全力で叫ぶ。
「……終わらせる!
死の記憶も、影王も、全て私の手で!」
光が爆発的に広がり、黒い影を飲み込む。
〈声喰い〉の群れは消え、廃墟の中で静寂が訪れる。
影王の黄金の瞳が静かに光を失い、漆黒の翼が崩れ落ちる。
葵は膝をつき、胸の痛みを抱えながらも息を整える。
影の少女が駆け寄り、葵を抱きしめる。
「葵……やったのね……」
弟影も涙を流し、手を握る。
「おねえちゃん……すごい……」
廃墟の霧が晴れ、光が差し込む。
死の記憶は浄化され、影王は静かに消え去った。
葵の胸には痛みの痕跡が残るが、それはもう力の一部となった。
葵は微笑み、影の少女と弟影に視線を向ける。
「……ありがとう。
みんなのおかげで、ここまで来られた」
影の少女が優しく微笑む。
「これで、新しい未来が始められる」
弟影も力強く頷く。
「ぼくたち、ずっと一緒だよ」
葵は深呼吸し、崩れた廃墟の奥を見つめる。
──死の記憶も、影王も、終わった。
そして、これからは……生きる未来だけが残る。
光が廃墟の隅々まで広がり、静寂と安堵が訪れた。
葵、影の少女、弟影――三人は互いの手を握り、歩き出す。
死の記憶を乗り越えた先に、希望と未来が確かに広がっていた。




