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第7話:隠された影

倉庫の扉の前に立つ三人。冷たい夜風が通り抜け、海の匂いと古い木材の香りが混ざる。

葵は手のひらを汗で濡らしながら、地図を握りしめる。


「入るしかないね……」葵が小さく呟くと、颯が軽く頷いた。

「無理に急ぐ必要はない。足音や気配に注意して」


慎重に扉を押すと、ぎしりと音を立てて開いた。倉庫の中は薄暗く、古びた箱や道具が無造作に積まれている。

しかし、何も異変はないように見えた。


「……本当に、ここで合ってるのかな?」葵の声が少し震える。

その瞬間、天井の隙間から、微かに光が差し込んだ。影が壁を滑るように動く。

「あ……!」奏が指差す方向に、誰かの気配。


黒髪の青年が静かに倉庫の奥に現れた。

その瞳は冷静で、しかしどこか意味深に笑みを含んでいる。

葵は息をのむ。何を考えているのか、全く読めない。


青年は一歩近づき、地図の上に手をかざした。

「ここまで来たんだね」低く、静かな声。

「でも、安心してはいけない」


その言葉に、三人の背筋が凍る。

倉庫の隅、見えない壁の向こうで微かに揺れる影。

その影は、今まさに動き出そうとしているかのようだった。


葵は心の中で強く思う――

「怖くても、進むしかない。真実を知るために」


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