第9話:死の記憶顕現・影王との激突
廃墟の中心、黒い霧と光が入り混じる空間。
葵の胸の奥で、死の記憶が激しく脈打つ。
痛み、孤独、恐怖――全てが、力となり、身体を駆け巡る。
影王が翼を広げ、全ての影を呼び寄せる。
──アオイ、覚悟はできているな。
全てを背負ったお前を、今、試す。
葵は拳を握り、目を逸らさず影王を見据える。
「……受け止める。死の私も、生の私も、守りたい人も、全部!」
〈声喰い〉が一斉に襲いかかる。
黒い影が廃墟を覆い、風が轟音を立てる。
しかし葵の胸の光が、それらを押し返す。
影の少女が横で叫ぶ。
「葵! 死の記憶の力を信じて!」
弟影も手を握る。
「ぼくも……一緒に戦う!」
葵の体から光が迸る。
死の記憶が融合し、影を制御する力が形を成す。
黒い影と〈声喰い〉が押し寄せるたび、光が反撃する。
影王の黄金の瞳が驚きに光る。
──なるほど……
お前は、私の力を取り込み、制御できるのか……
葵は胸の痛みを力に変え、叫ぶ。
「絶対に逃げない!
私の手で、全てを終わらせる!」
影王の翼が振るわれ、廃墟が崩れ落ちる。
しかし、葵は踏みとどまり、光と影の渦中で影王に向かって突き進む。
──さあ、これが死の記憶の核心。
お前の力を、すべて見せよ。
葵の体から光が溢れ、〈声喰い〉の影を押し返す。
影王の翼が振るわれるたび、光と闇がぶつかり、廃墟全体が震える。
葵は影王の目を正面から捉え、拳を前に突き出す。
──これが、私の力!
死の記憶も、影王も、逃がさない!
黒い影と光が衝突し、空間が震え、廃墟の瓦礫が舞う。
影王の声が低く響く。
──面白い……お前の覚悟、力、全てが……私の予想を超えた。
葵は胸の痛みを振り切り、光をさらに強める。
──私は、逃げない!
死の記憶の真実も、影王の正体も、全て受け止める!
廃墟の空間で、光と影が渦を巻く中、葵と影王の直接対決が始まった。
死の記憶の核心が、今、完全に顕現する。




