第8話:死の記憶核心・影王との直接対決
廃墟の奥、影王が翼を広げ、黒い影が渦を巻く。
空気が震え、床や壁が微かに崩れる。
黄金の瞳が葵を鋭く見据える。
──アオイ、すべての真実を受け入れる覚悟はあるか。
死んだ日の記憶、その痛み、恐怖、孤独……
それを乗り越えられるか。
葵は拳を握り、目を閉じず前を見据える。
「……逃げない。
死んだ私も、生きている私も、全部受け止める!」
影王の影が廃墟を押しつぶすように押し寄せる。
〈声喰い〉の群れが襲いかかり、暗い空気が渦を巻く。
弟影が叫ぶ。
「おねえちゃん! 離れないで! 一緒に耐えよう!」
影の少女も葵の肩を抱く。
「今なら、あなたの力が本物になる!」
葵は胸の奥の痛みを感じながらも、集中する。
死の記憶が圧し掛かる瞬間、過去の断片が走馬灯のように流れた。
──最後に呼んだ名前……
──守ろうとした人……
──そして……死んだ日の私……
影王が翼を振り下ろし、黒い渦が廃墟を揺らす。
その力は圧倒的で、空間ごと葵を押し潰そうとする。
葵は踏みとどまり、胸の痛みを拳に変える。
「……逃げない!
絶対に逃げない!
私は……私の手で、すべてを終わらせる!」
黒い影と〈声喰い〉が葵を包むが、死の記憶の融合により、葵自身が光を放つように変化する。
胸の痛みが力に変わり、影王の黒い影を弾き返す。
──なるほど……お前は……影を制御できる……
しかし、それで足りるか……
影王の圧力がさらに増し、黄金の瞳が怒りに光る。
──ここで倒れるか、生き残るか……
それがすべてを決める。
葵は深く息を吸い、両手を胸に当てる。
──全て、私のものだ……
死んだ日の痛みも、守りたい人も、影王も……逃げずに受け止める。
黒い渦と光がぶつかり合い、廃墟全体が揺れる。
影王の翼が振るわれるたびに風が轟音を立てるが、葵は揺るがない。
──さあ……
死の記憶の核心、影王との決戦の幕が開いた。
葵は一歩前へ踏み出す。
──絶対に、逃げない。
死の記憶と影王、すべてを私の手で終わらせる。
廃墟に光と影が激しくぶつかり、死の記憶の核心がついに動き出した。




