表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/73

第5話:誰かが見ている

夜の気配が街を覆い始め、ネオンの光が濡れた石畳に反射して揺れる。

葵は地図を手に握りしめ、颯と奏と共に港町の奥へ進んでいた。

「なんだか、誰かに見られている気がする……」葵が小声で呟く。


背後の路地から、微かな足音が重なる。振り返っても、そこには誰もいない。

「気のせいじゃない……」颯の低い声が辺りに響く。

「どうしてわかるの?」葵の問いに、颯は言葉少なに目を細める。


三人が角を曲がった瞬間、黒髪の青年が再び現れた。

しかし、今回はただ立っているだけではなかった。

彼の指先が微かに地図の方向を指し、意味ありげに目を細める。


「……やっぱり、昨日から何か知ってるのね」葵の心臓は高鳴る。

奏が小さく息をのむ。「でも、怖くないよね。だって颯がいるし!」


青年は一瞬こちらを見て、ゆっくりと背を向ける。

その背中の動きが、まるで「追いかけて来い」と言っているかのように見えた。


「行くしかない……」葵は小さく決意を固める。

三人の影はネオンに伸び、静かに港町の奥へ進んでいった。


その瞬間、路地の隅で風に揺れる紙が舞い、誰も気づかない小さな警告のように街に落ちた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ