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第4話:小さな手がかり

夕暮れ前の図書館の空気は、いつもより重く感じられた。

葵は拾った紙切れを胸元にしまい、颯と奏とともに書棚の間を慎重に歩く。

「何かの手掛かり……絶対にあるはず」颯の低い声が響く。


棚の隙間に目を凝らすと、微かに紙が突き出ていた。葵がそっと引き抜くと、それは古い地図だった。

「これ……港町のどこか?」葵の声には、好奇心と不安が入り混じる。


「間違いない。誰かが意図的に置いたんだ」颯が地図を広げ、指である場所を示す。

奏がふと手を止め、背後を見つめた。

「ねぇ……また視線が……」


視線の先には、昨日と同じ黒髪の青年が路地の外で立っていた。

その瞬間、彼は小さく手を振り、何かを知らせるように目を細めた。


「……なんだろう、この人」葵の声は緊張で震える。

颯は眉をひそめ、地図を握りしめた。

「答えは港町の奥にある……今日のうちに確かめる」


その言葉に、葵の胸の奥が熱くなる。

怖さと期待が入り混じる瞬間――それでも、奏の無邪気な笑顔が横で励ましてくれる。

「大丈夫だよ、葵!二人がいれば怖くないって!」


葵は小さく頷き、地図を握ったまま決意する。

「……わかった。行こう」


外に出ると、街のネオンが夕暮れに反射して揺れ、三人の影を長く伸ばした。

そしてその影の先には、まだ誰も気づかない謎と危険が待ち構えていた。


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