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超短編集:想像力強化訓練  作者: 小桃 綾


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19/20

問20:椅子が疲れたと言っている。なぜ?

 薄暗い部屋の中、椅子と机が置かれている。

 部屋に窓はなく、入口のドアにも明かり取りは付いておらず、まるで独房のような雰囲気だ。独房と違うのはそこそこ広いことと、間接照明で部屋全体が薄暗いオレンジ色に照らされていることである。


「もうダメだ、疲れた・・・」


 椅子が机に向かってボヤくが、机は何も答えない。別に返事も期待していないが。

 喋る椅子なんて自分でも特殊だと思う。


「ずっと同じ姿勢だとエコノミー症候群になるんだぞ? せめてゲーミングチェアみたいに腰回したり背伸び出来たら良いのに・・・」


 姿勢を変えたいがそれは出来ない。オレが椅子である以上その存在価値を変えるわけにはいかない。

 身体の疲れを感じながら『何故自分は椅子になったのか』を考える。別の選択肢はなかったのか。自分で選ぶことは出来なかったのか。


 考え込んでいると入口のドアが開き、一人の女性が入ってきた。その姿を見た瞬間、それまで感じていた疲労感も考えていた悩みも消え失せ、早く座って欲しいという欲望一色に染まる。溢れる気持ちが言葉となって部屋に響いた。




「おかえりなさいませ! 女王様!」


紛うことなき『椅子』の気持ちです。

頭の片隅にあった「もういぃっす」は使えず。。。

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― 新着の感想 ―
彼は悲鳴を上げた。 ――――止めてくれ! いつもその言葉だけが心にあった。 ――――もう許してくれ……………! その悲鳴は届かない。 いつもいつも拷問に掛けられる様な時間が、日々が続いてく。 ――――…
 私が思い付いたのは空気椅子でした。  長時間のこの鍛練はかなりキツいですから。
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