3話 天使を補給します。(ソフィア)
今日は久しぶりにメアリー様とお会いできる日!!
早く会いたい…!
勉強の疲れなんて天使と会えば吹っ飛ぶに違いないね。うん。
この一か月本当にずっと勉強に費やしてきた。
時には先生やレオさんに注意されることもあったけどね。
「貴女何時に寝ているんですか?病気したら元も子もないですよ?」
「ソフィア。頑張るのは素晴らしいですが息抜きも大切です。」
お二人とも心配してくれてありがとうございます。
でも…
私は怖いんだよね。
いつこの仕事を首になるかわからない。
いつか期待を裏切って養子を解消されるかもしれない。
何か不敬を働いたとか言って罰が下されるかもしれない。
この、今の恵まれた状況は何一つ自分で勝ち取ったものじゃないんだよね。
大した努力もせずに得たものなんて信じられないし~。
そんなこんなで結構本気で頑張ってきたこの30日。
それが! 今日! 報われる!
頑張った成果を見せてメアリー様に褒めてもらえたら何だって出来る!
(あれ?…なんか忠誠心が危ない方向に行ってる?)
気のせいだね。
◆◆◆
「ソフィア~!久しぶりねぇ!」
「はい!メアリー様、お招きありがとうございます。」
……ぷるぷるぷる。
「ふふっ。楽にして頂戴。本当に頑張ったのね。」
とっても綺麗にできているわ。と微笑むメアリー様の声に顔を上げる。
何をしていたかって?
カーテシー、でしてよ。
いやこれほんとにね、辛いの。
一見優雅に見えるけど空気椅子してさらに脚もクロスさせてるから
負荷がえげつない。レオさん曰く騎士の訓練の中にカーテシーを
キープするというものまであるほどなんだとか。
「恐れ入ります。」
そのまま勧めてもらった椅子に座る。
そこから鐘半分くらいかな。貴族らしい会話を続けていた時、
「ねえ、ソフィア。今からはもう少し…崩して話しませんこと?」
メアリー様がかすかに頬を染めて上目遣い。破壊力えぐっ。
「?」
「憧れの、、、、女子会ですわっっ!!!」
◆◆◆
「それで帰り際に『待っていますね。あなたが俺を見てくれるまで。』って。」
「わああぁぁっっ!!」
何と天使には婚約者がいたらしい。
そして話してくれたのは先日したというデートの話。
やばっ!胸キュンにもほどがある!
何より話しているメアリー様が可愛すぎるって。
これは完全に。
恋してる乙女だね。
「メアリー様はその方のことが好きなんですのね。」
「…へっ?そ、んな訳…。」
「では今、婚約者様のことを考えたらどうなります?」
ポンっ!
真っ赤。
「未来の奥さんになることについて。どう思います?」
ポンっ!
「とても素敵な方ですもの。すごく、、うれしいですわ。」
「で!、でもまだ恋なんて…、数回お会いしただけですのに。」
「ほほぅ。『まだ』ですかぁ。」
「んっ…!」
ヤバい。からかうの楽しい。
あっという間に海が夕日を飲み込み、女子会はお開きとなった。
「ソフィアったら容赦ないですわね…。」
「ふふっ。メアリー様が可愛らしくて。」
「もぅ…。」
あと数日後には学園に通う。
少しの不安と楽しみだな、という感情を抱えつつ
つかの間の休息を楽しむのでした。




